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博士の挑戦状
第五十八話

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               第五十八話  相手を待ちながら
 炬燵に入ってだった。
 小田切君は一緒に中に入っているタロとライゾウに言った、見ればうどんと甘酒も一緒に出している。
「いやあ、あったかいね」
「そうだよね」
「この炬燵はな」
 二匹も笑顔で応えた。
「外もぬくもって」
「かなりいいね」
「そうだね、観戦はね」
 博士はそちらの話もした。
「前に出したテレビで出来るし」
「自然にね」
「ここにいてな」
「地上とここは距離があるけれど」
 自分達が今いるカイザージョーの肩の上はというのだ。
「それでもね」
「うん、テレビがあるから」
「これで観られるしな」
「いいね、これでね」
 小田切君は笑ってこうも言った。
「これでどてら着たら」
「ああ、小田切君がね」
「そうしたらな」 
 二匹も笑って応えた。
「完全に冬だな」
「日本のね」
「そうだね、いい感じだよね」
 小田切君はこうも言った。
「本当に」
「うん、それじゃあ」
「決闘がはじまるのを待とうな」
「そうしようね」
「まあもうすぐだな」
 ライゾウは炬燵の上にちょこんと座ってテレビを観つつ言った。
「先生達もカーミラさんもな」
「もうすぐだね」
 タロは炬燵の中から顔を出した状態で言った。
「それは」
「そうだよな」
「だったらね」
「このまま待ってたらいいな」
「くつろぎながらね」
「そうしような」
「僕達はね」
 こうした話をした、そしてだった。
 博士からだ、彼等に声がした。
「あと少しで来るぞ」
「そうですか」
「うむ、先生達がな」
「よくわかりましたね」
「持っている携帯レーダーに反応があった」
 こう小田切君に言うのだった、小田切君達もその言葉に思わず身構えた。


第五十八話   完


                   2023・4・28
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