第十一章
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「やはり出て来たな」
「橘さん」
「いや、まだ早い」
橘は剣崎を抑えた。
「キングフォームになるのはまだ先だ」
「わかりました。それでも」
「わかっている。行くぞ」
「はい」
「ラウズカード」
剣崎と橘はすぐにカードをラウズさせた。そしてジャックフォームになり空に舞い上がった。
「俺が援護をする」
橘は剣崎に声をかける。
「御前は急襲を仕掛けろ。いいな」
「わかりました!」
ボードのライダー達は二人とカリスを軸にして脱皮したワーム達に当たる。空を飛ぶジャックフォームの力はとりわけ強く脱皮した複数のワーム達でさえ寄せ付けない。田所もそれを見て決断を下してきた。
「いいか、加賀美」
「勿論です」
加賀美はそれに頷く。彼等も今鎧を脱いだのであった。
「キャストオフ」
電子音と共にマスクドフォームからライダーフォームになる。二人はすぐに腰のベルトのスイッチを入れた。
「クロックアップ」
それにより動きが格段にあがった。今まではボードのライダー達と比べてかなり鈍かったがそれが全く違った。二人は黒崎や大和達と全く同じ速さで敵の中に飛び込む。その圧倒的な速さでワーム達の相手をしていっていた。
「ライダースティング」
「ライダースティング」
田所が敵を貫く。それでワームが一体倒される。しかしそれでも敵は減らない。減るどころか後ろから次々に出る有様であった。
「やっぱり多いですね」
「多いのは承知だ。しかしな」
田所はここで言葉を苦くさせた。
「十二人でもまだ足りそうにはないな」
「そうですね」
ここで誰かの声がした。
「まさかとは思いましたが」
「風に誘われたか?」
「はい」
声の主はその言葉に答えてきた。風間が廃墟の中から彼等の前に姿を現わしてきた。
「気の赴くままに」
「そうか。では気の赴くままにな。頼むぞ」
「わかりました。それでは」
トンボがやって来た。銃を右手に持ち高々と掲げるとそこに止まる。
「変身」
マスクドフォームのドレイクになった。だがすぐにもう一段階変身した。
「キャストオフ」
ライダーフォームになると射撃をはじめる。それでワーム達を撃ってきた。
「これで十三人か」
「それはどうかな」
「闇の中から出て来るのもいるかもな」
そこでまた誰かが姿を現わしてきた。廃墟の中を悠然と歩く二人の荒んだ服の男達。矢車と影山であった。二人も姿を現わしたのであった。
「御前等、来たのか」
「あんたに協力するわけじゃない」
矢車は腕を組みながら田所に声をかけてきた。そのままの姿勢で歩いてきた。
「ただ白夜を見たからな。その光に従うだけだ」
「そうか」
「俺も同じさ」
影山も言う。
「どうしてまたここにいるのかわからない。それでも戦う
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