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第二十六話 決断その十一

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「その人を殺さないで下さい」
「間もなくもう一人来るわ」
 遊人と??の傍にテレビの画面程度の四角い映像が来た、その中には颯姫がいて彼女も封真に言ってきた。
「そして私も。ここは退いて」
「一緒に僕達のところに来てくれませんか」
 遊人はまた封真に声をかけた。
「さもなくば腕ずくとなります」
「その剣を収めて下さい」
 ??もまた言う。
「そうして僕達と共に来て下さい」
「さあ、早く十字架から離れて」
 颯姫は小鳥がかけられているそれを見つつ言う。
「そして私達と」
「心配には及ばない、今何か俺に来たが」
 封真は地の龍の三人に顔を向けて答えた。
「撥ね返した。あれは何だ」
「?撥ね返した?」
「何をですか?」
 遊人も??もそう言われてわからないという顔で応えた。
「それは一体」
「今何か来たのですか」
「ビーストは何も感じていないわ」
 颯姫は自分と共にいる彼のことから話した。
「そして私もね」
「知らないか。ならいい」
 封真はそれならと三人に返した。
「だが俺は俺だ、小鳥を殺すことなぞするものか」
「そうしてくれますか」
「ああ、神威今言った通りだ」
 遊人に答えてから神威に顔を戻して彼にも話した。
「俺は小鳥を殺す筈がない、安心しろ」
「そうなのか」
「だが俺は地の龍となった」
 このことも言うのだった、今は宙に浮かび自分と向かい合っている彼に。
「お前と戦うことになった、だが俺は約束した」
「小鳥と俺を護るのか」
「そうだ、人間を滅ぼすことになってもだ」
 地の龍の使命によってというのだ。
「お前も同じだ、だからだ」
「戦おうともか」
「お前を護る、そして小鳥はお前に預ける」
「いいのか」
「俺はこれからどうなるかわからない、だがお前なら大丈夫だ」
 今度は微笑んでだ、神威に話した。
「小鳥を預けられる、いいか」
「わかった」
 これが神威の返事だった。
「ならだ」
「この戦いの間だな」
「俺は小鳥を護る」
「そうしてくれ、だが今度会う時はだ」
「敵同士だな」
「そうなる」
「そうか、だが俺も約束した」
 神威もまた言った。
「小鳥とお前を護るとな」
「だからか」
「お前を地の龍からこちらに引き戻す」
「俺も同じ考えと言えばどうする」
「変わらない、ならお互いにだ」
「そうだな、それぞれのところにだ」
「引き戻す」
 ここで二人同時に言った、そして。
 神威はさらにだ、封真に告げた。
「そうする」
「その為に戦おう」
「ああ、そして小鳥はな」
「護ってくれ」
「そうさせてもらう」 
 こう封真に言った、神威がこの言葉を終えるとだった。
 二人は背を向け合いそれぞれの場所に向かった、そこで。
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