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第二十六話 決断その九

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「お前が天の龍になったらな」
「お前は地の龍になるか」
「そうしてな」
 封真はさらに言った。
「わかるな、俺はだ」
「待て、止めろ」
 神威は咄嗟に止めた、だが。
 場は一瞬で変わった、漆黒の中でだ。
 神威は両手両足の首にそれぞれ輪をかけられその輪は鎖で何処かにつながれていた、そのうえでだった。
 小鳥は目の前の巨大な十字架にかけられ宙に浮かんでいた。封真はその十字架の上に剣を持って立っている。
 その状況の中でだ、神威は言った。
「夢の通りか」
「わかっていたか、わかるな」
 封真は神威に対して言った。
「俺はここでだ」
「小鳥を殺すか」
「そうなっている」
「それはあかんで」
 この言葉と共にだった。
 空汰がその場に表れた、天の龍が全員いた。
「妹さんを殺したら」
「何っ、皆いるのか」
「その場におったやろ」
 二人のいる場所にとだ、空汰は笑って話した。
「それでや」
「来たのか」
「兄さん、あんたそれ以上はしたらあかん」
 空汰は封真を見上げて言った。
「妹さんを殺したらな」
「それが運命でもだな」
「ああ、運命は変えるんや」
 絶対にというのだ。
「ええな」
「何なら私達が相手になるわ」 
 嵐も封真を見据えて言う。
「妹さんに何かするつもりなら」
「貴方が地の龍ならね」
 火煉も言ってきた。
「ここで貴方を倒したら一人減るわね」
「そうですね、ですが今は」 
 征一狼は火煉の言葉に頷きつつ話した。
「まずはです」
「ええ、止めましょう」
「これ以上の行いは」
「天の龍が全員来たか。しかし」 
 それでもとだ、封真は言った。
「俺はそうした運命だ」
「運命でもそんなことしたら駄目です」 
 護刃の言葉は強いものだった、表情もまた。
「封真さん、ここはどうかです」
「止めてか」
「一旦落ち着いて下さい」
「そうです、ここは退きましょう」
 この言葉と共にだった。
 今度は遊人が来た、??もいる。
「貴方が僕達の仲間だとわかりましたし」
「貴方達は」
「はい、地の龍です」 
 遊人は笑顔で答えた。
「貴方と同じ」
「そうなのか」
「それで今はです」
「小鳥を殺さないでか」
「はい、下がりましょう」
「僕も思います」
 ??も封真に言った。
「ここは」
「退いてか」
「そしてです」 
 そのうえでというのだ。
「僕達の場所に来て下さい」
「そうしないと駄目か」
「僕も思います、妹さんを殺したら駄目です」
「小鳥、安心するんだ」
 神威はここで今は目を閉じ俯いている小鳥に言った。
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