第二十六話 決断その五
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「小鳥と俺を護ると」
「絶対にそうする、だからな」
「小鳥が家に戻ってもか」
「どうなってもな」
こう神威に言うのだった。
「俺はそうする」
「言っている意味がどうもわからないが」
「そうなのか」
「だが小鳥も俺もか」
「絶対に護る、どうなってもな」
「その言葉を聞いて安心した」
「俺を信じてくれるんだな」
神威にそれを感じて問うた。
「そうなんだな」
「当たり前だ、お前のことを知っているからな」
だからだとだ、神威は頬んで答えた。
「そのこともだ」
「当然か」
「そうだ、だからな」
それ故にというのだ。
「お前の言うことは絶対に信じる」
「そうか、なら俺もだ」
「俺を信じてくれるか」
「当然だ、何があってもな」
「お互いにだな」
「護っていくぞ」
「そうしよう」
二人は誓い合った、このやり取りの後でだった。
神威は小鳥と二人になった、小鳥は今もベッドの中にいるが顔色はいい。その顔で神威に対して言ってきた。
「神威ちゃん、昨日に比べてね」
「元気になったな」
「うん、神威ちゃんにもわかるのね」
「顔色と喋り方でな」
「うん、食べる量も多くなったしね」
こちらも機能に比べてだ。
「よかったわ」
「ならいい、それでだ」
「それで?」
「色々考えたがな」
それでもとだ、神威は小鳥に話した。
「俺にとっての選択は一つだ」
「そうなの」
牙暁との夢の中での話を思い出しつつだ、小鳥は真剣な顔になって応えた。
「神威ちゃんは」
「もうすぐ皆帰って来るな」
天の龍の者達がというのだ。
「その時に皆にこの部屋に集まってもらってな」
「そうしてなのね」
「話す、実は考えはおおよそな」
「決まっていたの」
「今思えばそうだ、だが俺は今からな」
「決めてそうして」
皆に話す、お前と皆に話して」
そしてというのだ。
「封真にもだ」
「話すのね」
「そうする、いいな」
「いいわ、神威ちゃんが決めたことなら」
小鳥は今も牙暁との夢の中での話を話さずに応えた。
「私は受け入れるわ」
「そうか、ならな」
「まずはね」
「皆が帰るのを待つ」
「それじゃあね」
「いよいよね」
庚は都庁の地下で紅茶を飲みつつ話した。
「時が来るわ」
「そうですか、ではです」
「僕達も行きます」
「そうさせてもらうわ」
「場所はわかっているわね」
庚は地の龍の面々に確認した。
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