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第二十六話 決断その四

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「不思議ね。どうでもいい筈なのに」
「その娘を助けたいと思うことはなのね」
「こんなことはなかったわ」
「そうね、これまでの貴女はね」
「人を助けたいと思ったことなんて」
 それこそというのだ。
「なかったのに」
「けれどそう思ったならよ」
「動くことね」
「そうよ、そして何故動いたかは後でわかるわ」
「後で」
「そう、貴女はね」
「わかるのかしら。ただ私も助けさせてもらうわ」
 やはり無表情で言った。
「今回はね」
「では三人ね」
「三人寄ればといいます、それではです」
 遊人はここでも微笑んで述べた。
「その時が来れば」
「お願いするわね」
「出来るかどうかわかりませんがやってみましょう」
 庚に約束した、こうしてだった。
 庚はまた一つ手を打った、そのうえで自身は朝食の後出勤した。
 草薙は部隊での勤務を終えるとだった、クランプ学園の方に進めた。部隊の門を潜ってそちらに向かう彼に部下の一人が言ってきた。
「志勇一曹そちらはご自宅ではないですが」
「ああ、俺の部屋に帰る前にな」 
 草薙はその部下に顔を向けて笑顔で話した。
「ちょっと寄るところがあるんだ」
「そちらはクランプ学園ですね」
 部下はその方角にあるものを言った。
「一曹の出身校の」
「とはいっても挨拶にも行かないさ」
「よくしてもらった人達がおられても」
「ああ、まあ個人的な事情で行くからな」
 自分が地の龍であることは隠して話した。
「別に何でもないさ」
「そうですか」
「ああ、じゃあまた明日な」
「はい、宜しくお願いします」
 部下は笑顔で応えた、そしてだった。
 草薙は足を進めていった、だがここでふと呟いた。
「あまり気は進まないがな」
「何か」
「あっ、何でもない」
 別の自衛官に声をかけられたが誤魔化した。
「それじゃあな」
「はい、また明日」
「宜しくな」
 こうしたやり取りを経て学園に向かった、その時学園の敷地内の洋館の中には神威と天の龍達それにだった。
 封真もいた、彼は小鳥を見舞ってから神威に話した。
「まずは目を覚ましてよかった」
「そうだな」
「ああ、あと数日したらか」
「無事にここを出てな」
 神威も微笑んで応えた。
「家に戻られる」
「それは何よりだ、その時はな」
「ああ、また一緒にだな」
「兄妹で暮らせる、絶対にだ」 
 封真は強い声で神威に言った。
「そうなる様にしないとな」
「?どういうことだ」
「言ったまでだ、お前は何があっても小鳥を護ると言ったが」
 神威自身に彼の言葉を話した。
「俺もだ」
「同じか」
「ああ、俺も前に言ったな」
「そうだったな」
 言われてみればとだ、神威も応えた。
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