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第二十六話 決断その三

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「そうするわ」
「そうだね、それでは」
「ええ、三人にはね」
「お話するね」
「そうするわ、彼が選択をしたその瞬間に」
「動いてもらうね」
「その様にするわ」
 牙暁に約束してだった。
 庚は実際に朝食の時に地の龍の今都庁にいる三人に彼女の運命のことを話した、そのうえで言った。
「私としては無駄な殺生は望まないから」
「だからですね」
「ええ、貴方達で助けたいという人がいたら」
 遊人に応えて述べた。
「行ってくれるかしら」
「場所は何処でしょうか」
 ??はそこを尋ねた。
「一体」
「クランプ学園よ」
 庚は??のその問いに答えた。
「あちらでね」
「その人は殺されますか」
「そうなるわ」
「わかりました、庚が言うなら」
 ??は一も二もなく答えた。
「お祖父様にも言われましたし」
「命の大事さをかしら」
「はい、よく言われています」
 彼からというのだ。
「命を大切にし優しさも忘れない」
「それが大事だとなのね」
「はい、人を助けることこそ優しさですね」
「そう言っていいわ」
 庚も否定しなかった。
「そうね」
「では行きます」
 ??は確かな顔と声で答えた。
「そうさせて頂きます」
「ではお願いね」
「必ず助けます」
「その娘のことは知らないですが」
 遊人は彼女の名前を聞いた、だが地の龍となった神威に殺されること以外は聞いておらずこう言ったのである。
「庚が言うならです」
「行ってくれるのね」
「今はクランプ学園の重要な立場にいますが」
 笑って庚に話した。
「かつて行動を共にしていた子がいまして」
「男の子かしら」
「彼とは中々親しかったので」
 それでというのだ。
「今彼ならどうするかと考えたのですが」
「こうした時その子はどうするのかしら」
「助けますね」
 明るい笑顔での言葉だった。
「間違いなく」
「そうした子なのね」
「ふと思い出したのですが」
 それでもとだ、遊人はさらに話した。
「しかし思い出したのも縁です、ですから」
「彼の様にするのね」
「そちらに流されてみます」
「そう、ではお願いね」
「僕も行かせてもらいます」
「遊人さんが行くのなら」
 颯姫も言って来た。
「人が殺されることはどうでもよくても」
「貴女もなのね」
「ビーストと一緒にいるわ」
 そうするというのだ。
「その時は」
「ええ、お願いね」
「そうさせてもらうわ、ただ」
 颯姫は表情を変えないまま言った。
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