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第二十六話 決断その一

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                第二十六話  決断
 草薙は夢の中で牙暁からその話を聞くとだった。
 瞬時に暗い顔になってだ、こう言った。
「避けられないんだな」
「はい、運命ですから」
「全く。嫌なことだな」
 俯いて言うのだった。
「関係ない命だと思うがな」
「ですからこのことは」
「運命だからか」
「僕も避けられたらと思いますが」
 それでもというのだ。
「運命は」
「避けられないものか」
「仕方ないことです」
「俺は地の龍だけれどな」 
 それでもとだ、草薙は言うのだった。
「やっぱりな」
「命を奪うことはですね」
「本当にな」
 絶対に、そうした言葉だった。
「避けたいんだよ」
「貴方はそうですね」
「ああ、だからその話もな」
「彼女はですね」
「選んだらそれだけでいいだろ」
「彼女を殺すことはない」
「そう思うけれどな、大体仕掛ける奴がいるんならな」
 地の龍の神威の人格が変わることもだ、草薙は聞いていた。だがそれがもう一人の彼女であることは牙暁は隠している。
「それならな」
「その人をですか」
「何とかしたらいいだろ」
「そう出来ましたら」
「とっくに何とかしているか」
「庚もまた」
 彼女もいうのだ。
「必ず遊人さん達にお話しています」
「そうか、だからか」
「地の龍の神威は彼女を殺します」
「天の龍の神威の目の前でか」
「そうします」
「惨いな、本当に」
「このことは遊人さん達にもお話しましたが」 
 草薙以外の地の龍である彼等にもというのだ。
「遊人さんはそれも運命だと一瞬位表情になって」
「それでか」
「元の明るい感じになりました」
「そうなんだな」
「??は眉を曇らせそうですか、でした」
 彼はというのだ。
「颯姫は表情を変えずそう、で」
「終わりか」
「それぞれです」
「そして俺はこの通りだな」
「左様です」
「まあ人それぞれだな、しかしな」
 草薙は俯き暗い顔のまま言った。
「俺はな」
「残念ですか」
「かなりな、何とかなって欲しいがな」
「それは」
「ああ、あんた達も何重にも結界を張っているな」
「出来るだけ」
「そしてその出来るだけのことをしてもな」
 それでもとだ、草薙は自分から言った。
「防げないんだな」
「そうです」
「そこまで強いんだな」
「そうです」
「そうか、だから俺もか」
「はい」
 まさにというのだった。
「その様にです」
「覚悟を決めてか」
「ご覧になっていて下さい」
「そうするしかないか、けれど希望は見ていいよな」
「希望ですか」
「ああ、希望を持ってもな」
 それでもというのだった。
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