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八条学園騒動記
第七百七話 体育館その十一

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「餓えることはない」
「左様ですね」
「食べ損ねることはある」
 こうした事態に陥ることはというのだ。
「誰でもな」
「食べる時間を取れず」
「あまりにも多忙であったりしてな」 
 そうしたケースはどうしてもあるものである。
「それでな」
「その結果ですね」
「どうしてもな」
「食べ損ねることはありますね」
「それはあるが」 
 それでもというのだ。
「しかしな」
「餓えとは違います」
「エウロパにもマウリアにもない」
「戦乱に覆われたサハラでも然程」
「しかし連合はな」
 この国はというのだ。
「最早な」
「相当なことがない限り」
「相当が五つ付く様なだ」
 そこまでのというのだ。
「事態に陥らないとな」
「餓えないですね」
「仕事がないなら少し開拓地に行けばな」
「ありますし」
「そこで糧も得られる」
「左様ですね」
「常に発展しているならだ」
 そうした社会ならというのだ。
「餓えもな」
「ないですね」
「生産が充分であり」
「仕事もあるのなら」
「もうだ」
 それでというのだ。
「餓えない、ましてその生産量がな」
「連合は桁外れですね」
「他の国に比べてな」
「だからペットや家畜もですね」
「見事なものだ、ではな」
「これからですね」
「その家畜達もな」
 彼等もというのだ。
「見ていこう」
「これより」
「そうしていこう」
「わかりました」
 上等兵も頷いた、そうしてだった。
 二人で体育館から農業科の方に向かった、二人で八条学園の隅から隅まで観てそこから連合を知る調査は続くのだった。


体育館   完


                    2023・3・9
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