第七百七話 体育館その七
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「なられたのはです」
「ご夫君であられるな」
「フランツ＝シュテファン公であっれました」
「あの方がな」
「皇帝になられましたね」
「そうだった、皇帝はな」
「エウロパではですね」
上等兵は応えた。
「殆どがです」
「男性だった」
「そうでしたね」
「そうだった、これは男系だからだ」
「継承は」
「そうだった、今なら女系でもな」
こちらでもというのだ。
「多くの国は王位を継承出来てな」
それでというのだ。
「問題ないが」
「かつてはそうであり」
「そしてだ」
「ローマ皇帝もですね」
「男ばかりだった」
「ある人物が皇帝に選ばれれば」
そうなればというのだ。
「それでだ」
「皇帝の息子や一族がですね」
「跡を継ぐのがだ」
「ローマ皇帝でしたね」
「その家が何らかの事情で途絶えるまでな」
これには皇位を失う場合もあった、ローマ帝国はクーデターもよくあったのだ。それで皇帝の家もよく代わった。
「続いていた」
「そうでしたね」
「その人物限りのだ」
「総統とはですね」
「やはり違う、まさに総統はな」
「貴族の上に立ち」
「爵位を授けられも出来るが」
それでもというのだ。
「あくまでな」
「共和制の国家元首ですね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そのことはだ」
「否定出来ないですね」
「どうしてもな」
こう話した。
「だからな」
「総統はそうしたものであり」
「誰でもなれてだ」
選挙に勝てばというのだ。
「まさにな、しかしな」
「皇帝は違いますね」
「六百億の人口でだ」
大尉は日本の人口の話からした。
「国力は優にだ」
「エウロパの何倍もありますね」
「その領土もな」
実にというのだ。
「エウロパより遥かにだ」
「多くの星系を持っている」
「その日本の皇室がだ」
「その様なことをするとは」
「やはりだ」
大尉は顔を顰めさせて言った。
「連合はな」
「どうかという国ですね」
「野蛮でありな」
「マナーもですね」
「なっていない」
全くというのだ。
「まことにな」
「野蛮な国ですね」
「皇室の者をオーケストラに入れるなぞ」
「想像も出来ません」
「全く以てな」
「そんな国にいるなぞ」
それはというのだ。
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