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神々の塔
第二十六話 ワルキューレ達その九

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「是非ね」
「先にですね」
「行くのよ、いいわね」
「ほなそういうことで」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「ちょっとね」
 こうもだ、ブリュンヒルテは言うのだった。
「暑くなってきたかしら」
「戦ったので」
「その結果ね」
「そうですか」
「私達は暑いのはね」
 これはというのだ。
「あまりね」
「ああ、元々寒いところにおられるので」
「ちょっと皆火を使ったでしょ」
「はい、使いました」
 中里はその通りだと答えた。
「もう全員で」
「私達も使ったしね」
「あと八岐大蛇が盛大に」 
 今も綾乃を乗せている彼を見て言った。
「吹き回ってました」
「そういえばそうだな」
「この度の戦では炎をよく吐いた」
 大蛇も八つの頭でそのことを認めた。
「何かとな」
「そうしたな」
「そのせいですね。僕等も汗かいてますし」
「暑いのはね」
 ブリュンヒルテはあらためて中里に話した。
「今の私達はね」
「暑くてですか」
「ちょっと涼みたいわ」
「ほな氷を出して」
「そうしてね。いや私達もね」
 勇猛で知られるワルキューレ達もというのだ。
「戦を離れると苦手なものはあるのよ」
「神霊さん達でもですか」
「そうよ、どんな神霊でもね」
「苦手なもんがありますか」
「戦の時もそうで」 
 そしてというのだ。
「それを離れもね」
「そうなんですね」
「マオイさん達は逆に寒いところが苦手なのよ」
「南洋の神霊さん達は」
「それはわかるでしょ」
「はい、暑いところにいますと」
 それならとだ、中里も頷いて応えた。
「ワルキューレさん達とは逆に」
「寒い場所が苦手なのよ」
「そうなりますね」
「どうしてもね」
 このことはというのだ。
「そうなるのよ」
「そういうことですね」
「そうしたことも頭に入れると」
 それならというのだ。
「これからの戦もね」
「有利に戦えますか」
「そうなるわ」
 実際にというのだ。
「もうわかってると思うけれど」
「まあそれは」
「それをもっと理解して」
 そうしてというのだ。
「活用していけばね」
「ええですね」
「戦えばね」
 そうすればというのだ。
「それだけね」
「それが経験となって」
「わかってくるよ」
「そうしたものですね」
「努力すれば」
 そうすればというのだ。
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