暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第161話:その身に流れる血を誇りにして
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として、そこに敵が近付いた場合彼女達は躊躇せずにギアを纏うだろう。そういう覚悟が決まった者達だ。
 ハッキリ言ってしまえば、何時指示を無視して無茶をするか分かったものではない。だがしかし、ここでマリア達の提案を突っ撥ねてこの場に繋ぎ止める事は、彼女達の事を信用しないと明言しているに等しい。それは彼女達に対するこの上ない侮辱に繋がる。
 何より弦十郎は、彼女達の想いを汲めない程無感動な人間ではなかった。

「……分かった。無茶はするなよッ!」
「えぇ……」




 マリア達が民間人の避難誘導の為にトレーラーから出た頃、奏達4人の装者は蔓延るアルカノイズ達と対峙していた。視界を埋め尽くさんばかりに存在するアルカノイズ、コイツ等を一匹でも逃せば後ろに居る民間人や重要な施設が被害を受ける。
 そうはさせじと、奏を除く3人の装者はイグナイトモジュールを起動して一気に勝負を掛けようとした。

「猶予はないッ! 刹那に薙ぎ払うぞッ!」

「「「イグナイトモジュール、抜剣ッ!」」」

 一斉に黒いギアを纏ってアルカノイズを文字通り蹴散らす3人。

 その横では奏が、こちらは通常ギアのままアルカノイズと渡り合っていた。ウィザードギアを用いればもっと効果的に戦えるのだろうが、流石に先日かなりぶん回したのでいざと言う時の為に今回は抑える方向で動くつもりだった。

 それでも装者の中では1〜2を争う実力の持ち主、例え魔力に頼らずとも、イグナイトを起動した3人ほどではないにしても十分にアルカノイズを殲滅できていた。

「よっ! はっ! へへっ、お前ら程度ならこのままでも十分さ!」
「奏、無茶はしないで!」
「そう言う翼達こそ。何時敵の大物が出てくるか分からないんだ、手早く余裕をもって――」

 時に軽口を叩き合いながらアルカノイズを片付けていく4人の装者の戦いを、サンジェルマン、カリオストロ、そしてプレラーティの3人が高所から見下ろしていた。

「抜剣……待ってましたッ!」
「流石のイグナイト。凄いワケダ」

 カリオストロとプレラーティがイグナイトモジュールを起動した翼達の戦いに注目している傍で、サンジェルマンはウィザードギアを使わずにアルカノイズと戦う奏の方に目を向けていた。永い時を生きてきた彼女から見ても、奏の戦いは粗削りながらどこか洗練されており、立ち回りは見事と言う他ない。あの若さであれ程の戦いが出来るのなら、将来はきっと有望だろうと素直に感嘆した。
 だが同時に、惜しいとも思っていた。サンジェルマンも奏がLiNKERの力を受けてギアを纏っていると言う事実を知っている。その制限が存在する限り、奏は必ずどこかで壁にぶつかってしまう。優良にはなれても最上にはなれない。ウィザードギアを用いればそれもある程度埋めら
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