悪
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ムの槍。
すると、徐々にそこからハルトの力が抜けていく。やがて、人間の姿に戻ったハルトは、理解した。
「これ……まさか……!」
さっき言っていた、力の根源。
それを抜き取る力が、この槍にもあるのだと、ハルトは理解する。
「よい、よいぞよいぞウィザード!」
アマダムは怪物の姿から人間態になり、顔を近づける。
「仲間に隠し、自分に隠してきた化け物だったというわけだな、お前は!」
挑発するように舌を出し、大きく笑みを露わにするアマダム。
「さあ、このまま惨めに消え去るがいい、ウィザード!」
そして、アマダムの右手に光の弾が生成されていく。ゼロ距離でぶつけようと、徐々に大きくなっていくそれ。
「どうかな」
だが。
赤い眼のハルトは、にやりと笑みを浮かべていた。
そして、左右に破れていく上着。露わになった、ハルトの背中には。
ファントムとしてのハルトの背にあった、背びれの突起が生えていた。
「お前……ファントムの力を、部分的に……!」
「もう遅い!」
すでに背の突起はチャージを終え、ハルトの口には、炎はすでに溜まりきっている。
ハルトが叫ぶと同時に、赤い熱線が発射。それは、アマダムの体を大きく後退させ、そのまま壁に激突させた。
「はあ、はあ……」
膝を折ったハルトは、肩に突き刺さったままの槍の先端を抜き捨てる。口を拭い、冷静にアマダムの現状を見据えていた。
「倒しきれないか……」
爆炎の中に、むっくりと起き上がるアマダムの姿が見える。
「ぐぐ……驚いたぞ、ウィザード」
アマダムは、あちらこちらに大きなダメージを負っていた。怪人態の姿は破壊し尽くされ、人間態になりつつも、その纏っていたローブもボロボロになっている。
念動力により、落ちていたウィザードリングを回収したアマダムは、大きく叫んだ。
「人間を守る仮面ライダーのお前が! 人間を滅ぼす悪だったということだな!」
「……」
ハルトは何も答えない。
やがて静かに、熱さが残る口元を拭った。
「仮面ライダーってのは知らないけど……人間を滅ぼす悪ってのは、まあそうだね」
「認めるのか! これぞまさにクロスオブファイア! 貴様の力は悪の力! 永遠の十字架を背負った悪の化身!」
アマダムは笑みを絶やさぬまま、手を広げる。
すると、彼の背後に銀色のオーロラが現れた。
「また会おうウィザード。我が下僕になるなら、歓迎するぞ」
「好きに言ってなよ」
ハルトは吐き捨てた。
やがて、アマダムの姿はオーロラに消えていく。
敵がいなくなったところで、ハルトは後ろを
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