第3話
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ぞこの場所!素晴らしい!」
その本とは、「破邪の洞窟調査資料 途中経過」である。
「地上の神が人間どもに破邪の力を与える為に造った大試練!未だ完走者0の底無し巨大ダンジョン!階数が増えれば増える程困難になる攻略!1階に1つ用意された呪文習得所!これだ!これこそ、俺がバーンの頸を斬る為に手に入れるべき力だ!」
正に、夢見る乙女の様に目を輝かせるハドラーちゃん。だが、「破邪の洞窟調査資料 途中経過」から教わった術には1つ問題があった。
「ただ……その破邪の洞窟がある場所がカール王国の領土内とは……まあ、カール王国もいずれは陥落させる心算だが、それまでは、大人数で破邪の洞窟の調査を行うのは……難しそうだな……」
そして、冷静になったハドラーちゃんがキギロの嘘報告の内容を思い出した。
「あ。そろそろアレを回収してやる時間だったな……しにがみ!」
ハドラーちゃんに呼ばれたしにがみ達がハドラーちゃんの眼前に集まる。
そして、ハドラーちゃんの命を受けて何処かへと飛び去って往った。
「もし……キギロが俺の知ってる通りの運命をまた辿るのであれば、こちらも考えておけねばな……」
数日後……
1体のさまようヨロイが地底魔城の片隅に向かって歩いていた。その手にはジョウロが握り締められていた。
そして、1本の幼木を発見し、その周りの床に水をかけて濡らし始め―――
「オォイ!この空っぽ野郎!水をかけるならちゃんとボクにかけろ!周りの岩ばっか濡らしてどうするんだよぉ!」
そう、結局アバンに敗れたキギロは、習得したての大地斬をもろに受けた直後、自身の体内に種子を作ってそこに自分の自我と記憶を遷し、それをしにがみ達に回収させる形で地底魔城に逃げたのである。
だが、何故かさまようヨロイがしにがみ達を叩きのめし、キギロの種子を奪って地底魔城の片隅に埋めてしまったのだ。
「それと、ボクを植える場所を変えろ!こんな薄暗い所に植えるな!」
それに対し、さまようヨロイの答えはこうだ。
「そんなに太陽が恋しいかね?」
「当たり前だろ!植物は陽の光を浴びて育つのだ!そのくらい解れ空っぽ!」
さまようヨロイの目が怪しく光る。
「なら……その光を阻む物を壊したいとは思わんかね?邪魔だとは思わんのかね?」
キギロは、正体不明の異様な不気味さを感じて背中を冷たくした。
「な……何を言ってるんだ?おまえ……」
その時、キギロはハドラーちゃんが言ったバーンへの愚痴を思い出した。
「あの太陽至上主義のボケ老人がいる限り、地上が俺の物になった事実は誰も認めんであろうな……全く、忌々しいボケ老人だよ」
その途端、キギロは嫌な予感がした。
「まさか……その声は……」
だが、キギロの嫌な予感に反して、さまようヨロイはこの場を離れた。ジョウロを握り
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