第3話
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ラーちゃんがこの事実を知る術は無い。
が、先ほど言った通り、今のハドラーちゃんの外見はか弱い少女そのもの。だから、黒歴史でしかない魔軍司令時代のマントを嫌々ながら渋々着用しているのである。魔王としての外見的な威厳と貫禄を守る為に。
因みに、ハドラーちゃんは今でも胸元に黒の核晶が埋め込まれていないか常に念入りに確認し、その度に安堵するのであった。
そしてもう1つは、死の大地の調査に向かわせたガーゴイル達の報告が、ハドラーちゃんの予想とは大きくかけ離れていた事に起因する。
「穴を掘っている?」
「はい。海底から死の大地に穴を掘っているのです」
ガンガディアは意図が判らなかった。
「その様な事をして、何か意味があるのかね?」
その質問に対し、ハドラーちゃんがガーゴイルに質問する形で返した。
「その穴に何かを持ち込む様子は無かったか?」
それを聞いたガンガディアが漸く合点がいった感じとなった。
「なるほど。つまり、その穴の奥が大魔王バーンが地上を消滅させる為の重要な場所となる訳ですね?」
それを聞いたガーゴイル達がマジで青くなった。
「えっ……」
呆れるガンガディア。
「まさかと思うが……そこまで調査せずに引き返したのかね?」
みるみる小さくなっていくガーゴイル達。
「いや……あの……」
どんどん底無し沼にはまっていくかの様に墓穴を掘るガーゴイル達……とは別の意味で青くなっている者がいた。
ハドラーちゃん自身である。
(海底から穴を掘っていると言う事は、そこがいずれ魔宮の門となる場所。そこに穴だけがある……まさか!?)
「もうよいガンガディア」
「は?ですが、部下のたるみを修正しておきませんと―――」
「言わんとしている事は解るが、まだ大魔宮が完成していない時点で、死の大地の調査はこれで終わりだ」
「……よろしいのですか?」
ハドラーちゃんが残念そうに答えた。
「……ああ。今死の大地に行ったところで、出来る事は大魔宮建城の足を引っ張るだけ。バーンに逢える可能性が極めて低い」
「つまり、奇襲する意味が無いと?」
ハドラーちゃんが残念そうに首を縦に振る。
大魔宮は、死の大地の地下に隠されていた大魔王バーンの最重要拠点。地上消滅計画遂行時のバーンの居城にして地上界消滅作戦の要でもある。
そもそも、現在のハドラーちゃんはバーンの現在地を知らない。確かに悪魔の目玉を使ってフローラ王女とのやり取りをバーンに魅せ付けたが、それだって悪魔の目玉同士のテレパシーの様なモノを利用したに過ぎない。
だからこそハドラーちゃんは死の大地の地下にある大魔宮に賭けたのだ。
が、その賭けは空振りに終わった様だ。
どうやら、バーンは納期度外視で|大魔
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