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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第3話
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2周目(こんかい)における勇者アバンとの最初の戦いを終えたハドラーちゃんは、その足でヨミカイン遺跡の魔導図書館に向かう。その目的は、大魔王バーンに通用する呪文を手に入れる為である。
今使える呪文はバーンには全く通用しない。
ハドラーちゃんがそう思える最大の理由が、1周目(ぜんかい)バーンから貰った極大閃熱呪文(ベギラゴン)の存在である。
悪く言うと、ハドラーはバーンに出会うまで極大閃熱呪文(ベギラゴン)が使用出来なかったと言う事になる。
更に言えば、そんな極大呪文をポンポン部下にくれてやれるバーンの底無しと言っても良い底力の空恐ろしさを思い知らされる。
(どう考えたって……バーンからの貰い物がバーンに通用するとは思えん。となれば、それを超える呪文を身に着ける必要が有るのは必定だ!)

なのだが、魔導図書館に着いてしばらくして、ハドラーちゃんが不機嫌になる出来事が2つほどやって来てしまった。
1つ目は、ハドラーちゃんの現在の衣装。
魔族の力と超魔生物の力の両方が使えるのは好都合だし、ダイにへし折られた覇者の剣も元通りなのはありがたい。けど、何故か弱い小娘の姿で復活させられているのだ。
そのせいで、外見的な威厳や貫禄が完全に失われ、魔王軍の中でもヒュンケルと同じくらい浮いた外見(そんざい)になってしまった。無論、外見だけでは魅力や実力は計りきれないのも事実だし、外見でとやかく言う奴など名声や成果などで黙らせれば良いと言われればそれまでであるのだが。
それでも、魔王軍の頂点である以上、魔王の威厳を大事にするのがハドラーちゃんの筋であり意地なのである。
と言う訳で、豪勢な衣装で小娘の様な外見を誤魔化さなければならないのだが、どう言う訳か魔軍司令時代のハドラーがバーンにされた仕打ちを思い出させる忌々しいマントまで無傷でハドラーちゃんの手元に戻っていたのだ。
魔軍司令時代の時はノリノリで着用していたあのマント。その重厚なデザインになった本当の理由は、ハドラーの胸元に内蔵された黒の核晶(コア)と呼ばれる最凶の極大爆弾を隠蔽する事。
そんな事とは露知らずに着用していたのだから、あの時のハドラーは正にピエロである。
それを、バーンを裏切ってハドラーの敵となったバランに教えられた時は、ダイやバランとの決闘を邪魔された怒りと、バーンに捨て駒扱いされた悲しみと、なに1つ自由が無かった己の立場への悔しさが入り混じり、大人げ無く絶叫しながら泣き崩れたハドラー。
故に、ハドラーちゃんにとって魔軍司令時代のマントは、この世から完全に消し去りたい黒歴史以外の何者でもないのである。
因みに、バーンの側近中の側近である筈のミストバーンもその事実を知らなかったのだが、ハドラーの胸元に内蔵された黒の核晶(コア)を起爆させたのがミストバーンだった為、ハド
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