第七十五話 天下茶屋その十八
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「人を許すことも覚えてね」
「その人が変わってもその罪は消えないとかは」
「そんな考え捨てなさいね」
聞いた瞬間碌でもないものだと思いました。
「いい死に方しないわよ」
「アニメや特撮のダークヒーローの考えですね」
「ダークヒーローっていい結末迎えないわよね」
改心しない限りです。
「そうでしょ」
「はい、大抵は」
「そんな死に方したくないでしょ」
「楽にですね」
「それじゃあね」
「あの人についてもですね」
「一度向かい合ってくれたけれど」
それでかなり感情がましになったけれどです。
「もっとね」
「あの人と向かい合ってですか」
「お話してね。素晴らしい人だから」
「先輩が尊敬されている人なら」
新一君は少し真面目なお顔になって言いました。
「いい人ですね」
「そうよ、優しくてお心が広くてね」
「そうした人ですよね」
「新一君が嫌う様な人じゃないわよ」
「図々しくも尊大でもないですね」
「全くね、粗暴でもないから」
ヒステリーも起こさないです。
「新一君が嫌う様なことはね」
「本当にないんですね」
「そうよ、だから向かい合ってね」
私としてはそうして欲しいです。
「そうしたらわかるからね」
「あの人が本当はどんな人か」
「高井先輩と佐野先輩もね」
お二人もです。
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