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夢幻水滸伝
第三百五話 東と南からその四

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「進軍の際も常に騎乗はな」
「しないですね」
「人を乗せるとな」
「やはり馬にも負担をかけますね」
「そやからな」
「馬も疲れて」
「死ぬこともな」
 こうなることもというのだ。
「あるからな」
「出来る限りですね」
「疲れへん様にな」
 その様にというのだ。
「するで」
「そうしたことも大事ですね」
「ああ、ナポレオンの時のフランス軍がな」 
 彼等の話もするのだった。
「進軍の時もいつも馬に乗っててや」
「馬が疲れてですか」
「どんどん死んでってな」 
 そうなりというのだ。
「国全体で深刻な馬不足になったんや」
「そんなこともあったんですね」
「馬も体力があってな」
「命あるものなので」
「そんな毎日何時間も人間乗せて行進しているとな」
「何十キロもですね」
「流石にな」
 それこそというのだ。
「体力消耗してな」
「倒れて死んでいきますね」
「そうなるさかいな」
 だからだというのだ。
「出来るだけな」
「進軍中はですね」
「馬には乗らん」
「歩く様にしますね」
「しかも毎日何時間も馬に乗ってるとな」
 メルヴィルは今度は人の側の話をした、乗る方のそれを。
「お尻が痛くなるわ」
「それで、ですね」
 フォークナーが応えた。
「痔にもなりますね」
「現実問題でな」
「そうですね」
「ナポレオンは痔に苦しんでたな」
「あと胃下垂に」
 こちらにもというのだ。
「いつも馬に乗っていたので」
「進軍中はな」
「そうでしたね」
「ああ、痔になるとどうもな」
 これがとだ、メルヴィルは話した。
「何かと痛くて制約があるそうやな」
「その様ですね」
「最初からならんことや」
 痔にはというのだ。
「他の病気もやけどな」
「そやからですね」
「そや、馬に乗るのもな」
「長い時間はよおないですね」
「胃下垂にもなるし」
 このこともあってというのだ。
「ほんまな」
「進軍中は馬には出来るだけ乗らへん」
「そうすることや」
 こう言うのだった。
「ほんまな」
「それがええですね」
「馬にも人にも負担がかかるからな」
「そうしたことも考えての進軍ですね」
「そうすべきや」
「その通りですね」
 フォークナーも完全に同意だった。
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