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イベリス
第百七話 秋がはじまりその二

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「じゃあねですね」
「これでまたですね」
「部活ですね」
「漫画読んでいこう」
 こう部員達に言ってだった。 
 部長は咲達と共に掃除もして部活もしていった、当然皆昼食も食べた。
 咲はその部活が終わってからアルバイトに行ったがそこで部長のことを先輩に話すとこう言われた。
「いい人ね」
「優しいですよ」
「いえ、お掃除を皆でするのよね」
「はい、手分けして」
 咲はそれはと答えた。
「お昼ご飯の後もでしたが」
「最後もよね」
「朝のはじまりの時もそうで」
「お掃除に熱心なこと自体がね」
「いいんですね」
「わかってるわね、ただね」 
 それでもというのだった。
「そこでさらにポイントが高いのがね」
「皆ですることですか」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「それはかなりね」
「いいですか」
「かなりわかってる子ね、将来が楽しみだわ」
「立派な人になりますか」
「きっとね、お掃除をしっかりする人はね」
「立派になれるんですね」
「まあお掃除しなくてもなれるけれどね」
 先輩は笑ってこうも言った。
「お掃除だけじゃないから」
「それでもですね」
「お掃除をちゃんとしていたら」
 それでというのだ。
「かなりね」
「いいことで」
「ずっとその心を忘れないなら」
「立派な人になりますか」
「その人お勉強も出来るでしょ」
「文系も理系もかなり」
「そうよね、そうした子はね」
 咲にさらに話した。
「ちゃんとしてるのよ」
「お勉強も」
「ええ、真面目だからね」
「それで、ですか」
「あと意地悪なところもないでしょ」
「はい、全く」
「それならね」
 尚更、そうした口調での言葉だった。
「お坊さんとかそうした感じでよ」
「立派な人になれますか」
「若しお坊さんとかになったら」
 先輩は宗教関係者というニュアンスで話した。
「きっとね」
「立派なひとになって」
「沢山いいことをするわ」
「それは素晴らしいことですね」
「ええ、咲っちいい人と巡り会ったわね」
「そうですね、何かです」
 咲も頷いて言った。
「私今の部活に入っていい人達とです」
「出会えてるのね」
「はい」
 そうだというのだ。
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