第八幕その二
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「大好きじゃ」
「それでは」
「うむ、一緒に遊ぼうぞ」
「凄いですね、オオツノジカがいますよ」
ナターシャはその生きものを見て目を細めさせました。
「凄く大きな角ですね」
「こちらにはオオナマケモノがいます」
カルロスはその生きものを見ています。
「気持ちよさそうに寝ていますね」
「これは始祖鳥ですね」
神宝は傍を飛ぶ歯のある鳥を見ました。
「黄色と青で奇麗ですね」
「うわ、サーベルタイガーですよ」
ジョージは牙のある生きものに気付きました。
「恰好いいですね」
「確かこの生きものは」
恵梨香はある生きものを見てこう言いました。
「クァッガですね」
「確かどの生きものももう外の世界にはいないね」
王子が五人に応えました。
「そうだったね」
「はい、そうなんです」
「今私達が見ている生きものは」
「もう外の世界にはいないです」
「ですがオズの国ではですね」
「今もいるんですね」
「そうだよ、この国は色々な生きもの達がいてね」
そうしてというのです。
「もう外の世界にいない生きもの達もだよ」
「普通にいて」
「楽しく過ごしていますね」
「それで僕達も見られて」
「一緒に遊ぶことも出来るんですね」
「そうですね」
「そこもよいであろう、見るのじゃ」
リンキティンク王は目の前にいるずんぐりとしたビール瓶みたいな身体と小さい尻尾を持つ蛇を見て言いました。
「この蛇をな」
「ツチノコですね」
「外の世界では幻の蛇と呼ばれている」
「あの蛇ですね」
「オズの国では普通にいるんですね」
「それでこの動物園にもいるんですね」
「ほっほっほ、この国はお伽の国じゃ」
だからだとです、五人にお話しました。
「こうした生きものがいてもじゃ」
「普通なんですね」
「お伽の国だから」
「幻の生きものもいますね」
「いるのかどうかわからない様な」
「そうした生きものまで」
「そういうことじゃ、しかしじゃ」
ここで、でした。
リンキティンク王はそのツチノコを見てこうも言いました。
「この蛇は変わった蛇じゃ」
「何がかな」
そのツチノコが言ってきました。
「僕の何処が変なのかな」
「お主酒好きじゃな」
「大好きだよ」
ツチノコも否定しません。
「よく飲むよ」
「そうであるな」
「けれどそれはね」
「オズの国ではじゃな」
「普通だよ」
こう言うのでした。
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