全力を打ち砕く者
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ほぼないだろう。
「しかし、いいのか?カミューニ殿」
「あん?」
「明日の対戦カードを見たら観客が・・・」
「いいんだよ」
心配そうな表情を覗かせるジュラだが、俺はそんなことを気にすることはない。むしろ逆、彼の心配ごとは足のもっとも重要なパーツになる。
「絶対的な力に屈した仲間のためにあいつは出てくる。そこが狙い目なんだからな」
仲間が戦っているとあって時折妖精の尻尾の応援席や待機席が流れるが、そこに映る水色の髪の少年。彼のその目はあいつとの戦いを熱望していることが画面越しでもよくわかる。
「悪いな、シリル。お前の決意は報われない。お前は重要なピースの一人なんだから」
シリルside
「レイジングボルト!!」
「破邪顕正・一天!!」
ラクサスさんとギルダーツさんの渾身の一撃。しかしそれをスカイシーは軌道をズラす程度に弾くとそのまま突進し、拳を振り抜いていたギルダーツさんの顔面目掛けて膝蹴りを放つ。
「がっ!!」
「ギルダーツ!!」
なんとか踏み留まってはいるものの既に二人はボロボロ。対するスカイシーはわずかに服は裂けたりしている箇所があるだけで全く外傷は見受けられない。
『し・・・信じられません!!あのラクサスが!!あのギルダーツが二人がかりでも全く歯が立たないなんて!!』
『彼の実力・・・今まで見たことがないほどに早く、そして鋭いね』
『そうね。しかも二人の攻撃を難なく弾いているのが彼の強さをより引き立てているわ』
実況席の言う通り、彼の強さは目を見張るものがある。そしてこうなってくると会場の歓声が二通りに分かれてくる。
「あいつすげぇ!!」
「ジュラを破ったラクサスをあんな簡単に・・・」
「頑張れ!!狩猟豹の頭!!」
一方は今大会初出場、全くの無名のギルドということもあり誰も応援していなかったものたちが期待以上の戦いをしていることにより、そのものたちの魅力に惹かれ声援を送るもの。
「負けるなラクサス!!」
「頑張れギルダーツ!!」
「ここから逆転してくれぇ!!」
もう一方は幾度となく死線を乗り越え、他国の襲撃を打ち払い、そして何よりもこの国を代表する魔導士ギルドの逆転劇を信じ懸命に声を張り上げるもの。まだバトルパートの一試合目・・・何ならまだ大会すら一日目だと言うのにこの盛り上がり方はまるで最終日のあの時を思い出させるほどだった。
「すごい・・・」
「この後に戦うのが嫌になるね」
「しかもこれが世界中で起きていると考えると・・・」
「震えちゃうわね」
歓声により揺れるドムス・フラウ。そしてこれを見ているであろう世界中
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