全力を打ち砕く者
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々に砕け散るはずのギルダーツさんのクラッシュを一切のダメージも受けずに弾いたスカイシー。まるでソフィアの返し魔法のようだが、それを素でやってのけるのが末恐ろしい。
「しっかりしろ!!ギルダーツ!!」
遠目から見ていても動揺しているのがわかるギルダーツさんに対して娘であるカナさんが大声を張り上げる。その声が届いたのかどうかはわからないけど、ギルダーツさんの表情は冷静さを取り戻しているように見えた。
「大丈夫そうね」
「でも、ギルダーツさんでも苦戦するなんて・・・」
「本当に何者なの?あの人」
一気に形成が傾くかと思われたにも関わらず拮抗している戦況・・・いや、まだ余力を残しているスカイシーの今後の行動次第では番狂わせが起きかねない。そんな風に思わせてしまうような状況になっている。
「どうすればいいのかな?シリル」
隣にいるウェンディからの素朴な問い。それに対し俺は即答することができなかった。
「シリル?」
「あの人を倒せる方法なんか、ないのかもしれないね」
「え?」
真剣な顔でそんなことを言う俺を見てウェンディはキョトンとしているが、本当にそんな感情を抱かせてしまうほどにあの人は強い。そしてそれを覆すための術が今の俺には思い付かない。
(それでも、あの人はいずれ倒さなければならないと思う。それができるのは俺かレオンくらいのものだろう)
あいつがあの人に気が付いているかは不明だが、戦う時がくれば互いに削り合いになることは間違いない。だけど、あの時のあの人の行動を考えると、それをするのは得策じゃない気がする。
(力で及ばないのなら・・・奇策を展開するしかないか)
カミューニside
『はぁ!!』
魔水晶ビジョンから流れてくるバトルパートの映像。そこで展開されているのはフィオーレ最強と称されている妖精の尻尾のS級魔導士を一人で圧倒している男の姿。
「相変わらずあいつの上限が見えねぇなぁ」
強いのはわかっているがその限りが見えることがない男の姿にタメ息が漏れ出る。
「うむ。ラクサス殿とギルダーツ殿相手に互角以上に渡り合うとは・・・」
「それもまだ、全開じゃねぇからな」
横で試合を観戦しているジュラも同様の感想を抱いているらしい。ギルダーツは俺たちと同格かそれ以上の魔力を持っているものの、それをあいつは簡単にひっくり返してくるから嫌になる。
「まぁ、今回はそれに助けられてるんだけどな」
今の計画はあいつの力があることで成り立っているとも言える。もし万が一あいつが負けるようなことがあれば計画の練り直しが必要になるが、それは
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