全力を打ち砕く者
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2対1を望んだんだとすれば・・・」
あいつは多人数相手も苦にしない。それどころか力不足と判断すれば自身が楽しめるようにと不利な状況に自ら赴くことすらやりそうだから怖い。
(競技パートの時といい、あいつらは一体何を企んでいるんだ?)
狩猟豹の頭の狙いが分からずそちらに視線を向けるが誰一人として焦っている姿は見られない。それがますます不気味に感じ、この戦いから目を離すことができなくなっていた。
第三者side
睨み合う両者。傷だらけになっている金髪の青年の前に立った赤髪の人物は一切の隙のない敵を見て目を細める。
「ギルダーツ、気を付けろ。こいつはーーー」
「あぁ、わかってる」
ラクサスが何を言おうとしているのか察しているような反応を見せるギルダーツ。だが、二人の意志疎通が取れていないことを理解したスカイシーは鼻で笑っていた。
「何がおかしい」
「いや、別に」
必要以上のことは話そうともしない彼に苛立ちを覚えている様子のギルダーツだったが、彼はそれよりも確実に得ることができたこの有利な時間を生かすべく行動すべきだと頭を切り替える。
「まだ動けるか?ラクサス」
「あぁ。やられっぱなしで終われるかよ」
汗を拭いながら敵を見据えるラクサスと彼を見て笑みを見せるギルダーツ。そして対峙している人物もまた、不敵な笑みを覗かせていた。
「役者が揃ったな」
「あん?」
ボソリと呟いたその言葉の意味がわからなかった。しかし、スカイシーはすぐさま行動に出ると、ギルダーツはそれに反応しようと手を前に出した。
「ごはっ!!」
しかし、その反応速度よりも早く彼の拳はギルダーツの腹部へと突き刺さる。
「クラッシュ!!」
まさかの攻撃速度に対応が遅れたもののすぐさま反撃に出ようとした。しかし、彼はあろうことかその放たれた攻撃をまるで虫を払うかのように手を振るうと、その方向にあった闘技場の壁が粉々に砕け散った。
「なるほど。そう言う魔法か」
一瞬でギルダーツの魔法の特性を見抜いたのか、スカイシーは余裕の表情を覗かせる。そして自らの攻撃を意図も容易く弾かれたこの男の心は揺らいでいた。
「何者だ?こいつ」
シリルside
『スカイシー速い!!放出早々のギルダーツにその拳を突き立てたぁ!!』
全く予想ができないここからのバトル。これには実況席も気合いが入っているようでチャパティさんの声がいつもよりも大きくなっている気がする。
「ギルダーツさんのクラッシュも対処できるのか・・・」
触れれば粉
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