第2幕:大義無きルール違反
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笑みが混ざった複雑な表情を浮かべた。
「馬鹿ですね?……貴方達は……」
この騒ぎはアニアーラ管理委員会本部にも届いていた。
「またウミギ達がやらかしたのか?」
どうやら、上層部もツルギと対立している管理委員会側のモビルフォース小隊の傲慢で冷酷な性格に手を焼いていた様だ。
「10年前の半年戦争は、我々を色々と変えてしまった様だな?」
ソファーでくつろぐ将官の言葉に、立ったまま報告を聴いた佐官は汗だくで困り果てた。
「申し訳ございません。モビルフォース適性がSSR故に、私ですら強気に成りきれずに監督不行き届きに……見苦しい言い訳なのは承知なのですが……」
佐官の困り果てた顔を見ながら将官が溜息を吐く。
「エリート意識故の高慢化か……この事が10年前の半年戦争の再来に繋がらなければ良いのだが……」
とは言え、ツルギと対立している管理委員会側のモビルフォース小隊の所業を知らねばならない。
「で、ウミギはどこにいる!?今直ぐここへ呼べ!」
だが、通信手の報告は佐官の予想とは真逆だった。
「それが……やられてるんです!ウミギ准尉が!」
「バカな!?あいつらはモビルフォース適性RR以上の筈だぞ!」
アニアーラ管理委員会公認のモビルフォース適性は、下から順に不許可、N、NN、R、RR、SR、SSR、Lとなっている。
佐官が予想外の展開に慌てる中、通信手の報告が続く。
「ですが、突然現れた謎の赤いモビルフォースが非常に強く、まるで赤いモビルフォースの主翼が機体から離れて鷹か鷲の様に我が軍のヘドデルを襲っており、その赤いモビルフォースは大人気アニメ『機動戦士ガンガル』に酷似してとの報告も―――」
それを聞いた将官が慌てながら通信手に掴みかかる。
「それはどのアニアーラだ!?本部に残っている宇宙船は今どうなっている!?」
「いや……あの……」
驚き過ぎて言葉に詰まる通信手。
一方、ツルギが運転するガンダム・フェルシュングの圧勝ムードはまだ続いていた。
それもその筈、ガンダム・フェルシュングのヒートウイングビットがアニアーラ管理委員会所属の量産型モビルフォース『ヘドデル』の四肢を容赦無く切断してしまったからだ。
「残るは……1人」
「くっ!?」
「私のせいで皆さんが無駄話し過ぎた様ですね。その程度の注意力しか持っていない者が実戦経験を欲しがるなんて……まだまだ幼稚。」
ウミギ准尉以外のヘドデルは全て戦闘不能と言う体たらくである。
その様子に、さっきまで逃げ回っていた野次馬達が戻って来て、ガンダム・フェルシュングの正論かつ堂々とした圧勝ムードに声援を送っていた。
「見ての通りですよ。このまま私だけ逮捕してそれ以外は無罪放免にした方が得だと思いますよ?」
だが、ウミギはその条件を飲もうとしない。
「ば……馬鹿言えー!
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