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八条学園騒動記
第七百七話 体育館その六

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「国名にだ」
「あったのですね」
「しかし全くだ」
「そんなものはなく」
「専制国家でありな」
 そしてというのだ。
「国家元首は代々だ」
「世襲であり」
「階級すらあった」
 共産主義であってもだった。
「まさにな」
「君主制国家でしたね」
「そうだった、共和制と言ってもな」
「国家元首が世襲で」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「選挙もないならな」
「それならですね」
「もうその国は君主制国家だ」
「北朝鮮はそうでしたね」
「相当な愚か者でないとあの国は共和国と見なかった」 
 それが現実であった。
「まさにな」
「そしてローマ帝国も選挙は行われなかった」
「そうだ、まさに終生独裁官だった」 
 カエサルが定めたというのだ。
「それも世襲にもだ」
「なっていきましたね」
「そのことを考えるとな」
「今のエウロパ総統は」
「皇帝ではない」
 絶対にというのだ。
「後継者であってもな」
「そこは違いますね」
「総統、大統領は階級に関係なくだ」
 それでというのだ。
「なれる」
「事実平民出身の総統もです」
「多い、むしろ平民出身の総統の方がな」
「多いです」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「七割がな」
「平民出身ですね」
「総統はな、そして性別もな」
「関係ないですね」
「女帝という言葉があるが」
 事実日本やエチオピアでは女帝も存在しており今の日本の天皇陛下も女性の方であられる。大尉はこのことも意識しつつ話した。
「しかしな」
「それでもですね」
「皇帝の殆どはな」
「男性ですね」
「歴史的にな」
「左様ですね」
「今のオーストリア王家のだ」
 大尉はこう前置きして話した。
「ハプスブルク家だが」
「かつては神聖ローマ帝国皇帝家で」
「オーストリア皇帝であられたな」
「そうでしたね」
「あの家も女帝の方はおられたが」
「マリア=テレジアですね」
「あの方も正式にはだ」
 大尉は薩摩星系の日本語の方言をかなり癖の強いものにさせて敬語を出した、周りに何を言っているのかわからない様にしたのだ。尚大尉と上等兵はハプスブルク家が今のオーストリア王家であるので敬語を用いている。
「女帝にはだ」
「なられていないですね」
 上等兵もそうした方言で応えた。
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