第二話 にゃんぱいあその八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あの穴を潜ったら僕の世界だにゃ」
「うん、じゃあ」
「行くか」
こうしてだった。二人は身体を屈め膝を折ってだ。
そのうえで土管の中に入る。すると光に包まれ。
土管を潜り終えると。そこは。
何もおかしなところのない世界だった。ただ出て来たのは川辺だ。川辺に転がっている土管を潜り抜けてだ。出て来たのである。
右手に青い静かな川が。左手には緑の土手がある。草の中に赤や白の小さな花が見える。
「さあ、ここにゃ」
「ここか」
「そうだにゃ。ここだにゃ」
にゃんぱいあの言葉に応えてからだ。一条はその周りの川や土手を見回したのだった。無論ささやかに咲いている花達もである。
そうしたものを見てだ。一条がまず言った。
「何の代わりもないな」
「ですよね。平和そうです」
「んっ?ここは平和だにゃ」
また二人に顔を向けて話すにゃんぱいあだった。
「そっちでは違うにゃ?」
「そうだね。色々といるからね」
「御世辞にも平和とは言い難いな」
仮面ライダー、その協力者としてだ。二人は答えた。
「さっき言った様なグリードもいるし」
「騒がしい世界だ」
「とりあえず平和ではないんだにゃ」
二人の話を聞いてだ。にゃんぱいあは。
困った顔になってだ。それで言うのだった。
「そうした世界には困ったものだにゃ」
「つまりこの世界は平和で」
「グリードやそうした存在はいないか」
「だからグリードはお菓子でないなら何にゃ?」
にゃんぱいあの関心はそちらにあった。
「よくわからないが美味しそうな名前だにゃ」
「ううん、美味しそうかな」
「特にそうは思わないが」
「とにかくだにゃ。僕は今から家に帰るにゃ」
そうするというのだ。
「一緒に来るにゃ?」
「どうする?」
にゃんぱいあの言葉を受けてだ。一条は。
五代に顔を向けて。それで尋ねたのだった。
「行ってみるか」
「ええと。猫の家ですよね」
「飼い主がいるらしい」
一条はこう考えて話す。
「どうやらな」
「飼い主がいるんですか」
「そんな感じがする」
これは一条の勘から言うことだ。彼の戦いで培い、そして刑事という職業、その二つから身に着けた勘からの言葉である。
それを言ってだ。彼はあらためて五代に話した。
「だからだ。言ってみよう」
「その飼い主の人から手掛かりをですね」
「この世界の手掛かりも手に入るだろう」
「ですね。それじゃあ」
「まずは言ってみることだ」
「わかりました」
五代も一条の言葉に頷き。そうしてだった。
二人でにゃんぱいあに案内され彼の家に向かった。そこは。
白い家だった。人間のごく有り触れた家だ。その家の前に来てだ。
今度は五代がだ。一条に問い返した。
「あの、何ていいますか
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ