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神々の塔
第二十六話 ワルキューレ達その五

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「あたい達みたいな一撃離脱はね」
「出来んか」
「相手の馬に飛び移るみたいなことは」 
「流石にか」
「出来へんけどね、あたい達はね」
「出来るな」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「任せてね」
「ほな頼むな」
「それではね」
「ああ、しかし馬から馬に飛び移る」
 リーはこの行為について述べた。
「そんなのはもうな」
「曲芸よね」
「アクロバットな」
 そう言っていい様なというのだ。
「とんでもないな」
「身体の動きよね」
「馬術やな、しかしモンゴルやと」
「そうよ、伊達に歩く前から乗ってへんさかい」
 馬にとだ、アレンカールは答えた。
「そんなこともよ」
「出来るんやな」
「馬に乗ったまま食べてね」
「そして寝てやな」
「そのうえでそうしたこともね」
 飛び移ることもというのだ。
「出来るのよ」
「それで完全な裸馬にも乗れる」
「あの子はね」
 ナツァグドルジ、彼はというのだ。
「そして他のモンゴルの人達もよ」
「出来るな」
「そんでやな」
 中里も言って来た。
「草原を自由に行き来出来るんやな」
「馬でな」
「そうやねんな、生まれる時から馬に乗って」
「それで行き来してな」
「草原のモンスターは強いが」
 サハラ砂漠やアマゾン程ではないがこの世界の草原もまたモンスターが多く出没する、この世界のモンゴル人達はその中で暮らしているのだ。
「馬に乗って戦って」
「そしてやな」
「あそこまで強いんやな」
「そういうことやな」
「それで枢軸との国境も」
 こちらもというのだ。
「守ってくれてるな」
「ずっとな」
「枢軸との国境は常に緊張してる」
 敵国であるからだ、その枢軸が。
「そこを守ってくれてるのはな」
「有り難いわ」
「先の戦では冒険者にも依頼を出したけどな」
 国境警備のそれをというのだ。
「ギルドを通じて」
「そうしてたな」
「それで正規軍を動かしたが」
「あの戦は残念やった」
 リーは苦い顔で述べた。
「ほんまな」
「ああ、万全の状態で決戦を挑んだが」
「相手は強かった」
「引き分け、講和の条件はこっち有利やったが」
「実質負けやった」
「そうやったからな」
「残念やった」
 心から言うのだった。
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