第八十五話 兄に言われてその十三
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「皆その巨人を観て元気が出て」
「いいのよね」
「それで頑張れるからね」
「日本自体が調子いいわね」
「そして日本が調子いいと」
「日本も世界で大事なポジションにあるし」
「世界も引っ張られて」
そうなってというのだ。
「よくなってるからね」
「弱い巨人最高よね」
「もう世界の為にだよ」
「巨人は弱くないとね」
「これからもずっとね」
「そうじゃないと困るわね」
「強くなったら」
その時はというと。
「もうね」
「それだけで世界は大変なことになるわね」
「そう思うと世界の為にもね」
「巨人は弱くないと駄目ね」
「天地がひっくり返っても」
例えそうなろうとも、というのだ。
「そうじゃないとね」
「世界にとってよくないわね」
「全くだよ」
「私もそう思うわ、海遊館に行く日もね」
「巨人負けてたらいいね」
「是非負けて欲しいわ」
留奈は心からこの言葉を出した。
「本当にね」
「そうだね、じゃあね」
「ええ、海遊館にね」
「一緒に行こうね」
「そうしましょう」
こう話した、だが。
ふとだ、留奈は思いついて伊東に言った。
「お弁当作って行っていい?」
「お弁当?」
「そう、昨日の晩ご飯のおかずとご飯を入れてだけれど」
「持って来てくれるんだ」
「伊東君の分もね」
彼に笑って話した。
「そうしていい?」
「作ってくれるんだ」
「それで海遊館で一緒に食べて」
「帰りにオムライスをだね」
「一緒に食べましょう」
こう言うのだった。
「そうしましょう」
「それじゃあね」
「ええ、お弁当持って来るわね」
「留奈さんが作ってくれるんだ」
「いや、私は入れるだけだから」
弁当箱の中にとだ、留奈は笑って正直に答えた。
「お母さんがね」
「作ってくれるんだ」
「実質ね、じゃあね」
「うん、お弁当持って」
「水筒にお茶も入れて持って来るわね」
「そっちもしてくれるんだ」
「ええ、それじゃあね」
海遊館にというのだ。
「一緒にね」
「行こうね」
「楽しみましょう」
最後はこう言った、そしてだった。
一緒に海遊館に行く時を楽しみにして待った、その日はすぐに来て留奈は朝からお洒落をして弁当を二つ持って行ったのだった。
第八十五話 完
2023・5・8
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