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星河の覇皇
第八十四部第三章 円明園の会議その十二

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「非常にです」
「大きいですね」
「まさに」
「左様ですね」
「その通りです、ではこれより」
 李はまた言った。
「門に向かいましょう」
「そうしてですね」
「我等六ヶ国で」 
 これだけの数でというのだ。
「お話して」
「声明をですね」
「出しましょう」
 こう言ったのだった。
 そのうえで四人で官邸の門まで行くとそこにいたのはブラジル大統領であるプラシド=ロペルトちとイスラム風の顔立ちであり金髪と青い目の端整な顔立ちの中年男がいた。
 その二人が伊東達に微笑んで答えた。
「迎えに来てくれたのですか」
「我々を」
「はい」
 李が四人を代表して笑顔で答えた。
「そうさせて頂きました」
「そうですか」
 金髪碧眼のアラブ系の男、一九〇程の連合では平均身長であるその男が応えた、トルコ大統領マスルール=サマルである。大統領に就任したばかりであるが辣腕家でありかつ分権派として知られている。
「それは何よりです、ではこれより」
「はい、会談に入りましょう」
 李が応えてそうしてだった。
 六人は中国の大統領官邸の中で六ヶ国会談に入った、まずはオフレコでの会話からはじまることになったが。
 伊東はロベルトとサマルに早速尋ねた。
「しかしこの度は」
「何故我々の意見統一が遅れたか」
「そのことですね」
「ブラジルもトルコも今現在集権派が強いからですね」
「左様です」
「その通りです」
「そうですね、かく言う私も集権派ですが」
 中国茶を飲みつつ伊東は二人の話を聞きつつ己の立場も述べた。
「この度はです」
「分権に軸を置かれていますね」
「そうです、集権といいましても」
 中央政府に建言を集中させてもとだ、伊東はサマルに答えた。
「限度がありまして」
「日本の国家としての権限は守る」
「そうです、これ以上中央政府の権限が拡大しますと」
「各国政府の権限が脅かされる」
「その可能性が出て来たので」
 それ故にというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「はい」
 だからだというのだ。
「この度はです」
「各国政府と共に、いえ」
「むしろです」 
 伊東はサマルに思わせぶりな笑みで答えた。
「中心の一国となり」
「動かれていますね」
「私は日本の首相です」
 伊東は己の立場を今度は役職から答えた。
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