第二話 にゃんぱいあその四
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「いいな。絶対にな」
「わかってます。例え何度も生き返らなければならないにしても」
「死ぬな。俺も死なない」
「はい、俺は死にません」
「そうしてこの戦いも最後まで生きよう」
「そうしましょう」
こう二人で話してだ。戦いのことを誓い合うのだった。その二人のところにだ。
二本足で歩く黒猫が来た。それだけでも異様だが。
背中には蝙蝠の翼がある。その猫を見てだ。
五代がだ。最初にこう言った。
「ファンガイアですかね」
「そうかもな。若しくはあの一族か」
「そうした感じですよね」
最初彼等はこう考えたのだった。
「彼等との戦いは終わりましたけれど」
「では安心していいか」
「ですよね。特にね」
「警戒する必要はないか」
こう考えたのだった。しかしだ。
ここでだ。その一風変わった猫は。
五代の足下に来てだ。こう言ってきたのだ。
「血ィくれにゃ」
「血!?」
「そうだにゃ。血ィくれにゃ」
こう五代に言うのである。
「喉が渇いたにゃ。血が欲しいにゃ」
「血が欲しいってまさか」
「この猫は」
猫の言葉にだ。五代だけでなく一条もだ。
目を瞠ってだ。そして言うのだった。
「吸血鬼!?」
「バンパイアの猫か!?」
「んっ?僕を知ってるのかにゃ?」
その猫も猫でだ。こう彼等に返す。
そしてだ。こう名乗るのだった。
「僕はにゃんぱいあにゃ」
「にゃんぱいあ」
「それが君の名前か」
「そうだにゃ。とにかくにゃ」
ここでだ。その猫にゃんぱいあはさらに言うのだった。
「早く血を寄越すにゃ」
「血を」
「それを」
「どうします、それで」
「そうだな。血と言われても」
二人も咄嗟にはどうしていいかわからない。しかしだった。
たまたまだ。二人の目の前にだ。
漢方薬の店があった。その店を見てだ。
一条がだ。五代に対して言った。
「あの店がいい」
「あの店に入ってですね」
「血を貰おう」
店でだ。買うというのだ。
「漢方薬なら血もある筈だからな」
「それでなんですね」
「そうだ。血は」
「血なら何でもいいにゃ」
にゃんぱいあがまた五代の足下から言う。
「とりあえず喉が渇いたから欲しいんだにゃ」
「そうか、わかった」
一条もだ。にゃんぱいあの言葉を聞いてだ。
そのうえでだ。店に入りだ。
そうしてすっぽんの、ドリンク扱いになっている生き血を買ってにゃんぱいあに渡す。それを飲んでだ。
にゃんぱいあは満足した顔でだ。二人に言った。
「有り難うだにゃ。お陰で落ち着いたにゃ」
「それはよかったね」
「そうだな」
二人もまずそれはよしとした。
だがだ。ここでだ。
二人はあらためてだ。にゃんぱいあに尋ねたのだった。
「君は
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