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イベリス
第百六話 夏休みが終わってその八

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「合宿の時ちょっとお話する機会があって」
「聞かせてもらったのね」
「そうなの。いい勉強になったわ」
「刺青のこととか」
「今はもう日本社会に入って普通に本土の人達と結婚して」
 そうなってというのだ。
「昔からあやふやだったみたいだけれど純粋なアイヌの人達は少ないみたいよ」
「そうなのね」
「明治の頃の政府って結婚も認めていたから」
 本土の人達大和民族と言われる人達とアイヌ、沖縄、台湾それに朝鮮半島の人達とだ。法的に完全に同じ日本人としたからこのことも当然だったのだ。
「それでね」
「混血が進んだのね」
「日本人って混血にこだわらないみたいなのよ」
 咲は首を少し傾げさせて答える様にして言った。
「昔かあね」
「それあるみたいね」
 ハンガリーの娘も否定しなかった。
「今もハーフの人結構いるしね」
「東京でも目立つでしょ」
「この学校でもね」
「色々な国の人と混血してるでしょ」
「結婚してね」
「昔から。聖徳太子だってね」
 この方もというのだ。
「お母上今で言う韓国からの方だったし」
「そうよね」
「秦氏だってね」
 この豪族もというのだ。
「元々はね」
「始皇帝の末裔って言ってたのよね」
「実際はやっぱり今で言う韓国の人だったみたいね」
 当時朝鮮半島は高句麗、百済、新羅の三国に分かれていたが咲は教科書に出ている位の知識しか当時の反騰にはないのでこう言ったのである。
「どうも」
「実際は」
「こうした豪族の人達もいたし」
「混血は昔からなのね」
「そもそも今の日本人も」
 即ち自分自身もとだ、咲は話した。
「縄文人と弥生人のハーフだしね」
「混血してるのよね」
「何でも織田信長さん弥生系らしいし」
「あの人そうなの」
「お酒飲めなかったらしいのよ」
 このことから話した。
「あの人ね」
「大酒飲みで酒乱のイメージだけれど」
「それが全くの下戸で」
 それでというのだ。
「お酒はね」
「全く飲めなかったのね」
「それで甘いものが好きで」
 こうしたことは史実に書かれていることである。
「茶道に凝ったのも」
「お菓子好きで」
「お茶を飲んでいたからみたいよ」
 酒の代わりにだ。
「それで弥生系の人って下戸らしいの」
「そっちなのね」
「皇室の方でもおられるそうだし」
「へえ、そうなの」
「皇室も弥生系みたいなの」
「成程ね」
「それでも混血してて」
 縄文人と弥生人がというのだ。
「今言った信長さんも皇室の方々もね」
「縄文人の血も入ってるのね」
「そうみたいよ」
「そうなのね」
「縄文人は毛深くてお酒飲めて」
 彼等はというのだ。
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