第七幕その十一
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「わしもや」
「こうしてじゃな」
「時々来てな」
そうしてというのです。
「食べてるんや」
「そうなのじゃな」
「そうや、それで美味いもんを食べたことを本にもや」
そちらにもというのです。
「最近は書いてるんや」
「そうなのか」
「男がどうとかおなごがどうとか」
「そうした本を書いてか」
「こっちは昔から書いててな」
そうしてというのです。
「今はや」
「食いもののこともか」
「書いてるわ、この街美味いもんめっちゃあるし」
それでというのです。
「どんどんや」
「書いてるか」
「そうしてるわ」
こう言うのでした。
「ほんまにな」
「その本読みたいのう」
「本屋行ったらあるで」
西鶴さんは気さくに笑って答えました。
「わしの書いた本もな」
「あってか」
「それでな、織田作さんの本もあれば」
「私の本もあるわ」
見れば西鶴さんと向かい合って座っている人がいました、眼鏡をかけていて真ん中で分けた白髪が印象的です。
「有り難いことにな」
「そういうお前さんは誰じゃ」
「司馬遼太郎や」
リンキティンク王に笑って答えました。
「よろしゅうな」
「お前さんも外の世界から来たのじゃな」
「そや、大阪に生まれて生きてきて」
そうしてというのです。
「ずっと大阪が好きでな」
「今はこの街におってか」
「暮らしてるんや」
「そうなのじゃな」
「今も歴史を書いて」
そうしてというのです。
「オズの国のあちこちを歩いてな」
「そうしてか」
「その旅のこともな」
このこともというのです。
「書いてるで」
「そうなのか」
「外の世界におる間は基本大阪におった」
「大阪が好きだったのじゃな」
「そやったからな」
それでというのです。
「ほんまな」
「ずっとか」
「世界のあちこちを旅もしたけど」
それと共にというのです。
「家はや」
「大阪か」
「そこから離れんかった」
「そうなのか」
「あの、東京は」
ナターシャが言ってきました。
「行かれることは」
「あの街か」
「はい、住まれたことは」
「いや、もうな」
「ずっと大阪でしたか」
「わしは大阪が好きでな」
こうナターシャにお話します。
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