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第二十五話 選択その五

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「わからないわね」
「うん、多くの人が命を落とすよ」
「そうね、けれどそのこともね」
「希望を以て」
「そうしていきましょう、私も希望を持って」
 そのうえでというのだ。
「そしてね」
「もう一人のあの人を何とかして」
「姉さんを救うわ、姉さんが一番ね」
「もう一人の自分に苦しんでいるよ」
「そのことは間違いないから」
 それ故にというのだ。
「何とかね」
「もう一人のあの人を何とかする」
「このことを忘れないで」
 そしてというのだ。
「やっていくわ」
「そうするんだね」
「希望を持ってね、どうにもならないと思っていても」
 そう思いつつというのだ。
「何とかね」
「絶望しないで」
「そうしていくわ」
「そうなんだね、けれど僕は」
「まだ無理ね」
「とてもね、けれど」
 それでもというのだ。
「持てたらいいね」
「では今はそう思って」
「そのうえで」
「これからのことを見ていきしょう、それで神威の一人が間違いなく地の龍になって」
 そしてというのだ。
「私達のところに来てくれるから」
「迎える準備もだね」
「進めるわ、そしてね」
「そして?」
「あと二人もね」
 その地の龍達もというのだ。
「来るわ」
「いよいよ」
「貴方の話も聞いているし」
 夢の中でというのだ。
「それでね」
「来てくれて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「皆集まるわ」
「七人全員が」
「そうなるわ、遂にね」
「待っていたけれど」
「あの二人がね」
 庚は少し苦笑いになって述べた。
「一人はそうしたことが好きじゃなくて」
「そして彼はね」
「待っているから」
「そうだね」
「それでね」
 それ故にというのだ。
「まだなのよ」
「そういうことだね」
「彼が一番人間を滅ぼすのが地の龍だとしたら」
「彼が一番地の龍らしいね」
「表向きはね。けれどね」
「それはあくまで表向きで」
「その実はよ」
 これがというのだ。
「待っているのよ」
「時が来ることを」
「それでなのよ」
 だからだというのだ。
「彼はね」
「まだ来ていないね」
「その時はもうすぐだけれど」
 それでもというのだ。
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