第二十五話 選択その二
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「そしてね」
「そのうえで少しずつでも改善されていく」
「そうなっていくことを望んでいるけれど」
「むう一人のあの人は真逆に」
「全てを破壊し滅亡させて」
「その何もなくなった姿を見て笑う」
「そうしたいのよ、若し地の龍が言われている目的を果たせば」
言われているそれをというのだ。
「その時はね」
「人間は滅ぶけれど」
「そしてその巻き添えで多くの生きものも死ぬけれど」
「自然自体は残るから」
「その分ね」
まさにというのだ。
「生きものも残って」
「やがて自然が破壊された文明を包み込み」
「生きものは増えていくわ」
「動物も植物も」
「全てね、けれどもう一人の姉さんが動いたら」
丁はまたそうなった時のことを話した。
「もうね」
「自然も何もかもが破壊される」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「私もね」
「止めたいね」
「もっと言えば何としても」
「止めなければならない」
「この地球の命の為にも」
若し地の龍が勝ってその表向きの彼等自身もそうであると信じているそれを果たした時もというのである。
「止めなくてはならないわ」
「だからこそ」
「ええ、あの娘はね」
「結界を張ったけれど」
「気休めにもならないわ」
庚は眉を曇らせて断言した。
「それこそね」
「そうだね」
「だからね」
それ故にというのだ。
「あの娘は殺されるわ」
「地の龍の神威に」
「必ずね、心を失った彼にね」
「地の龍は人間だよ」
牙暁は眉を顰めさせて応えた。
「心を失くすとね」
「人のね」
「もうそれはね」
その時点でというのだ。
「人間ではないよ」
「人間は姿形で人間とはならないわね」
庚も言った。
「心が人間でないと」
「そう、そして地の龍もまた」
「人間よ」
「決してね」
「そうよ、心を失った存在ではないわ」
人減のそれをというのだ。
「もう一人の姉さんがそうする様な」
「けれどそれは止められない」
「どうしてもね、それなら」
「あの娘は殺されて」
「私達はもう一人の姉さんに心を奪われた」
「その神威を仲間にするね」
「そうなるわ、私も貴方も望んでいないけれど」
そうなることはというのだ。
「それでもね」
「避けられないのなら」
「受け入れるしかないわ」
「そうだね、どれだけそうなって欲しくなくても」
「そうなるのが運命なら」
それならというのだ。
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