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星河の覇皇
第八十四部第三章 円明園の会議その七

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「そしてね」
「鯨を手に入れる」
「大きな国益を」
「そうすべきですね」
「そういうことよ、あとどの国も決して連合を潰すつもりはなくて」
 それにとだ、伊東はスタッフ達にさらに話した。
「中央政府と対してもね」
「それでもですね」
「全面対決はしない」
「あくまで程々ですね」
「ある程度、ですね」
「連合の政治や綱引きよ」
 今度はスポーツに例えた、連合の学校の運動会ではどの学校でも行う競技の一つで大会にもなっている。
「中央政府と各国政府のね」
「今は中央政府がかなり引いている」
「だから引き返す」
「そうするのですね」
「出来れば真ん中までね」
 その綱をというのだ。
「持って行くのよ」
「そうされますね」
「これから」
「その為に今会議を行う」
「左様ですね」
「そういうことですね」
「連合から離れることは」
 それはというと。
「何もかも失うということよ」
「その通りですね」
「若し連合から離脱すれば」
「連合の市民権を失います」
 日本の市民達がとだ、スタッフ達は話した。
「他国に居住、駐在していても」
「即座に全員退去を命じられ」
「連合内での権益を全て失いです」
「経済活動も出来なくなります」
「そうしたものを一から再構築せねばなりません」
「他にも様々なデメリットが生じます」
「ですから連合から離脱するなぞ」
 それこそというのだ。
「出来るものではありません」
「実際連合創設以降それをした国はありません」
「ブラウベルグによるエウロパ離脱以降は」
「離脱した国への罰則も設けられましたし」
「それも過酷なものですから」
「だからですね」
「そうよ、誰も連合からの離脱はね」
 これはとだ、伊東も話した。
「誰も考えないわ」
「連合各国は連合の中に全てがあります」
「その権益の全てが」
「それならです」
「連合から出ようなぞと思いません」
「そこから出るなら」
 それならというのだ。
「もうです」
「発想もないですね」
「問題は連合の中でどれだけ利益を得るかであり」
「中央政府と対立しても」
「それでもですね」
「対立するだけですね」
「そうよ、対立しても」
 それでもというのだ。
「連合の中だけでのことよ」
「あくまで、ですね」
「この国の中でどう権益を手に入れていくか」
「国益を得るか」
「それだけのことですね」
「小さいと言えば小さいわ、所詮は一つの国の中のことよ」
 伊東はここでは達観した様にして言った、それは自分達を矮小なものであると認識しての言葉であった。
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