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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第160話:夏の日差しの下で
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に対して尊敬の念など微塵も抱いていないプレラーティだったが、この時ばかりは素直に感心した。
「お陰で随分と捗らせてもらったワケダ。後は……」
プレラーティが話を続けようとしていると、その横をカリオストロが通り過ぎていく。考えの読めない同僚に、プレラーティもカップを持ったままソファーから立ち上がり通り過ぎていったカリオストロの後ろ姿を見やる。
「何処に行こうとしているワケダ?」
「もしかしてもしかしたら、まさかの抜け駆けッ!?」
無邪気に訊ねるティキに対して、プレラーティは同僚の性格から次の彼女の行動を予想していた。
「ファウストローブの完成まで待機できないワケダ?」
「ローブ越しってのが、もどかしいのよね。あの子達は直接触れて組み敷きた〜いの」
「直接触れたいって……まるで恋の様な執心じゃないッ! ああ〜ん、あたしもアダムに触れてみたいッ! 寧ろさんざんっぱら触れ倒されたいッ!」
恋バナにときめく少女の様に騒ぐティキだったが、カリオストロの抱くものがそんなものではない事は同僚であるプレラーティの方が良く分かっている。大人しくしていられないカリオストロに、プレラーティは思わずため息をついた。
「……あの小僧か?」
「えぇ……サンジェルマンがあそこまで入れ込むあの子。ちょっと興味が出てきたのよ。思わずちょっかいを掛けたくなるくらいにはね」
「否定はしないが、程々にしておいた方が良いワケダ。サンジェルマンの不興を買いたくないのならな」
とは言え本気で止めはしない辺り、プレラーティも興味はあるのだろう。寧ろ、カリオストロが1人不興を買ってくれるのであれば万々歳とでも思っていそうだ。
そんな同僚からの打算ありきの目を向けられつつ、カリオストロはホテルの一室を後にするのだった。
***
その頃、颯人達S.O.N.G.の魔法使いと装者一行は大型のトレーラーに乗ってある場所に向かっていた。
彼らが向かう場所は松代。多くの人々が平穏に暮らしていたその場所は、現在政府により退去命令が出され住民が自衛隊の先導の元手荷物を持ってバスに乗せられている。
その様子を奏と響がトレーラーの窓から何とも言えぬ目で眺めている。
「先の大戦末期、旧陸軍が大本営移設の為に選んだここ松代には、特異災害対策機動部の前身となる非公開組織……風鳴機関の本部も置かれていたのだ」
「風鳴機関……?」
「それって……」
聞き覚えのある名前が入った組織名に、もしやと思い奏達の視線が翼へと向く。肝心の翼は、何やら思いつめた様子で椅子に座り俯いている。
「資源や物資の乏しい日本の選挙区を覆すべく、早くから聖遺物の研究が行われてきたと聞いている」
「それが天羽々斬と、
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