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星河の覇皇
第八十四部第三章 円明園の会議その五

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「急にこちらに来て大々的に動くと」
「しかし首相はです」
「今回はその様に動かれますね」
「各国政府側について」
「そのうえで、ですね」
「目的を果たして国益を手に入れるわ」
 日本のそれをというのだ。
「政治家が求めるものは何か」
「国益ですね」
「各国のそれですね」
「それを求め手に入れる」
「それが政治家の仕事よ」 
 こうスタッフ達に話した。
「そしてその利益を国家と市民にもたらす」
「その為に政治家は存在し」
「我々官僚もですね」
「その為に存在していますね」
「そうよ、政治家は指示を出し責任を取ってね」
 伊東は政治家と官僚の役割分担の話もした、連合の政治は政治家と官僚の区分がはっきりしているのだ。
「裁決を行う、そして官僚は」
「スタッフとして働く」
「それが我々の仕事です」
「政治システムの中で」
「時として提案も行ないますね」
「現場の者として」
「そうよ、政治家と官僚は国益を求めるけれど」
 仕事の目的は同じであるがというのだ。
「それでもね」
「そこは違いますね」
「仕事の内容が」
「政治家は責任者です」
「しかし官僚はスタッフです」
「その違いがありますね」
「そこははっきりしているわ」
 連合ではそうだというのだ。
「まさにね」
「左様ですね」
「政治家は選挙で選ばれる」
「そうしてなるものです」
「そして官僚はテストを受け入省する」
「そうしてなりますね」
「高官は任命もされるけれど」
 これも連合の特徴だ、政権のトップが省庁の高官も任命するスポイルズ=システムも強いのである。
「基本はそうね」
「メリット=システムですね」
「それによって官僚は任命されますね」
「連合においては」
「少なくともある程度の役職までは」
「そこが違うわ、政治家は選挙を経てなって」
 そしてというのだ。
「官僚は試験でなる」
「それに合格すればなる」
「官僚は基本入社試験と同じですから」
「その違いはありますね」
「やはり」
「そうね、ただそれでもね」
 伊東はさらに話した。
「政治家も官僚も目的は同じで」
「政治家は責任者でもですね」
「同じ市民である」
「そのことは忘れてはならないというのですね」
「そうよ、連合は市民の国よ」
 それは日本でも同じである、連合にあるならば。
「それならばね」
「誰もが同じですね」
「人間に階級はありません」
「社会的立場の違いはあれど」
「それは仕事上のことですね」
「それ以外のことはね」
 職務、それを離れればというのだ。
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