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Fate/WizarDragonknight
クロスオブファイア
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同時に二人のサーヴァントを一薙ぎにする。
 床へ投げ出された二人を、即ビーストがカメレオンの舌で拘束する。

「っしゃあ! 響友奈! 動かないでくれよ!」
「うん!」
「ありがとうコウスケさんッ!」
「よし! 可奈美ちゃん、真司をお願い!」
「う、うん!」

 可奈美は頷いて、鎖で縛られている龍騎にしがみつく。
 同時に、ウィザードはバインドにかける魔力を解除し、次の一撃に魔力を込めた。

『チョーイイネ キックストライク サイコー』

 ウィザードの足元に、赤い魔法陣が浮かび上がる。
 両足を肩幅に開き、その右足に赤い炎の魔力が込められていく。

「だあああああああああああああああああああああああああっ!」

 放たれるストライクウィザード。
 それは、聖杯の前で静止しているアマダムへ直接叩き込まれた。
 彼が反射的に防御として出したのは、右腕。
 それは、無数の令呪が刻み込まれた右腕だった。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 赤い炎とともに、徐々に押されていくアマダム。
 やがてストライクウィザードは、アマダムの右腕を爆発させる。令呪を右腕ごと掻き消したそれは、その効果をサーヴァントたちから解放した。

「腕が……腕があああああああああああああああ!」
「これで……真司たちを操ることはできない!」

 肩で呼吸しながら、ウィザードはアマダムを睨む。
 だが、発狂していたアマダムは、突然落ち着きを取り戻す。焦った動きをしていたのに、水を打ったように体を静止させた彼は、顔のみをもとの中年男性の姿に戻し、大きく口元を吊り上げた。

「それはどうかな? 所詮、借り物の力で戦っているお前たちが、根源である聖杯に敵うかな?」
「根源?」

 その言葉に、ウィザードは首を傾げる。
 体の自由を取り戻したサーヴァントたちも、可奈美、ビースト、再変身したディケイドとともにウィザードと並ぶ。

「おや? 知らないのぉ〜? しょうがないなあ? 折角だし、お前たちの力全部、敵からの借り物の力だって、優しい優しい僕ちゃんが教えてやろうかな〜?」
「何……!?」

 吟味するような目つきのアマダムは、一人一人睨んでいく。
 アマダムが顎を指で数回叩く。やがて、適当な手つきで「お前」と響を指さした。

「わ、わたしッ!?」
「シンフォギアシステム。聖遺物を用いるその力、同じく聖遺物であるソロモンの杖もまた、ノイズの力の根源と言っても過言ではないだろう?」
「そ、それは……」

 響がショックを受けたように目を反らす。
 さきほどまでのふざけた口調とは打って変わって、冷たく冷淡な言い方に、ウィザードは内心驚いていた。
 さらに、そのままアマダムは続ける。


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