シナリオ
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ねぇ」
「それでもだ。私たちはそれを信じる以外にやるべきことがない」
距離を取らせることもわずかな反撃の余地も与えないほどの怒涛の攻撃を繰り出すスカイシー。次の参加者が決まるまで残り5分ほど。そのタイマーが早く過ぎることを三人は祈るばかりだった。
「やはり格が違うな、あやつは」
ドムス・フラウにある一室にてこの様子を観戦している聖十大魔道たち。ジュラはかつて自身をも打ち負かした人物を圧倒する存在に険しい表情を浮かべていた。
「しかも当初の予定通りに動いている。ラクサスくん相手にあんな無茶を聞き入れるとは・・・」
ハイベリオンはこの戦いを先頭で見ている赤髪の青年の方を見てからそう言うと、彼はニヤリと笑みを浮かべて答えた。
「むしろこんなことをやれるのはあいつしかいない。そしてこれができなければ俺たちに未来はない」
悪者のような表情から今度は真剣に・・・遊び心など微塵もないことが伺えるものへと変化する。それを受け他のものたちはこれ以上何も言わない。いや、言えなかった。それほどまでにこれから起こりうることが信じがたいことだからだ。
「おいおいマジかよ・・・」
「ワイルド・・・」
試合開始前は熱狂の渦に包まれていたドムス・フラウ。しかし今は異様な雰囲気に観客たちは飲み込まれているのか、歓声は一切ない。隣のものとこの光景について話すものがいることにより生み出されるわずかなざわつきしかないのだ。
「ごはっ・・・」
防戦一方・・・いや、その言葉すらも釣り合わない。完全なサンドバッグ状態になっていたラクサスは口から血を吐くと耐えきれなくなったのかその場に倒れてしまう。
「ラクサス!!」
「「ラクサスさん!!」」
一切手を緩めることなく攻撃を続けたスカイシー。そんな彼の目の前で倒れたラクサスはすぐさま立ち上がろうとするが、相当なダメージが溜まっているのかまたすぐに尻餅をついてしまう。
「これは決まったか」
「次でトドメを・・・ミャア!?」
試合を観戦していた全ての人間が勝敗が決したことを悟った。これでスカイシーが彼を気絶させれば戦闘不能扱いとなり、残り一人となる妖精はギルダーツが放出される。そこから最後の一人の放出までのカウントダウンが開始されると誰もが考えたが、またしても予想外の事態に会場中が驚愕した。
『なんだ!?狩猟豹の頭のスカイシー、なぜかラクサスに最後の一撃を放たないぞ!?』
『どうスたのかね?』
『さぁ?』
倒れている敵を前にただ見下ろすだけの人物。それが何を意味しているかは分からなかったが
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