シナリオ
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シリルside
開幕の銅鑼が鳴り響く。まず対峙しているのはラクサスさんとスカイシーを名乗る人物。その二人の後ろにはそれぞれの仲間が檻の中へと入れられて出番を待っている状態。
ダッ
何か作戦を張り巡らせていくのかはたまた純粋な力勝負に持ち込むのか、そこも注目していくべきだと思われる第一試合。最初に動いたのはスカイシーだった。
「速ッ!!」
隣にいたカナさんが思わずそんな言葉を口走った。スカイシーはその言葉通り目にも止まらぬ速さでラクサスさんの間合いに入ると彼の腹部へと肘打ちを入れる。
「がっ!!」
その攻撃はラクサスさんの反応速度を上回っていた。速い上に威力も十分な一撃に尻餅を付くラクサスさんだったが、相手はそれを好機とばかりに脚を振り上げる。
「この・・・」
しかしそれを黙って受けるような彼ではない。ラクサスさんはそのままの姿勢のまま相手の軸足を払いにかかる。しかし、これは読まれていたのかスカイシーは高くジャンプすると、その勢いをうまく使いラクサスさんの顔面へと飛び蹴りを入れてきた。
『あぁっと!?狩猟豹の頭のスカイシー怒涛の攻撃だぁ!!妖精の尻尾のラクサスが手も脚も出ない!!』
『スカイスーくんは一つ一つの動きがとにかく速いねぇ』
実況席もこれには驚かされるばかり。ラクサスさんの実力がわかっている彼らこその反応なのだが、その中で一人だけ違う思考をしている人がいた。
『えぇ?でもラッくんもそう簡単にはやられないでしょ?』
『ラッくん?』
本日のゲストであるリュシーさん。ただ、彼女の言葉には俺たちも同意だ。ラクサスさんがこのままやられっぱなしで終わるわけがない。
「雷竜方天戟!!」
雷を槍のような形へと変えての一撃を打ち込むラクサスさん。スカイシーが近距離型の戦いをしてくることもありすぐ目の前にいたため、その一撃は彼に見事にヒットした。
『今度はラクサスからの反撃だぁ!!ラクサスの渾身の一撃がスカイシーを捉えたぁ!!』
以前の大魔闘演武での活躍や妖精の尻尾解散時に青い天馬に所属していたことも相まって女性の歓声がやたら大きい気がする。ただ、彼のその攻撃は起点になるだろうと全員が思っていたための大歓声とも考えられた。だが、煙が晴れた時の敵の姿に会場は静まり返ってしまった。
「こんなものか」
全くの無傷・・・わずかなよろめきも傷も与えられることができていないのか、スカイシーは何食わぬ顔で平然と仁王立ちしている。いや、仮面で顔が隠れてるからもしかしたら苦痛に顔を歪めているのかもしれないけど、あの態度から察するにそんな雰囲気は一切ない。
「ラクサスの攻撃
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