暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十四部第三章 円明園の会議その三

[8]前話 [2]次話
「あの漫画の最初でしたね」
「原作者の作品でしたね」
「そちらではそうでしたね」
「かつては」
「そう、だからね」 
 それでというのだ。
「あらゆることはね」
「完成させてこそですね」
「意味がありますね」
「何事についても」
「小説も未完ではどうしようもないわ」
 伊東はこちらの話もした。
「どうもね」
「左様ですね」
「古来から未完に終わった作品はありますが」
「小説にもありますね」
「漫画でもありますね」
「原作者が亡くなるなりして」
 それで未完に終わる例が未完の作品が生じてしまう最大のものかも知れない、若しくは作者が途中で投げ出したかだ。
「終わるわね」
「残念なことに」
「夏目漱石の明暗もそうでしたね」
「あと少しで終わりましたが」
「そこで未完となりましたね」
「未完の作品は読んでも残念さが残るだけよ」
 結末まで読むことが出来ないからだ。
「どうしてもね」
「左様ですね」
「それで、ですね」
「我々としては」
「この会議を成功させる」
「そうして終わらせないとならないですね」
「そうよ、絶対にね」
 それはというのだ。
「ではいいわね」
「はい、それでは」
「我々はこの北京星系でも働かせて頂きます」
「会議を成功に終わらせる為に」
「是非共」
「お願いするわ、しかし思うことは」
 ここで伊東は外務省のスタッフ達にこうも言った。
「今回のことで中央政府がどう動くか」
「そのことが問題ですね」
「何といっても」
「彼等が今回の会議の後どう動くか」
「そのことが問題ですね」
「今中央政府は自分達の権限を拡大させていっているわ」
 伊東は鋭い目になり話した。
「まさに波に乗っているわ」
「左様ですね」
「中央政府軍設立以降からのことですが」
「もうそれが止まりません」
「その権限は拡大する一方です」
「その中で我々が会議を成功させると」
 この度のそれをというのだ。
「中央政府としてはね」
「自分達の動きを妨害する」
「そうしたものなので」
「座視しませんね」
「必ず動きますね」
「そうしてくるわ、問題はどう動くかよ」
 その中央政府がというのだ。
「一体ね」
「若し大きく動くなら」
「その時は、ですね」
「我々としても」
「対することになるわ、もっともこの会議こそがね」
 今から開かれるそれこそがというのだ。
「中央政府との対立を言っているけれど」
「左様ですね」
「中央政府の権限拡大に対する各国政府の反旗ですね」
「それを表すものですから」
「誰も連合を破壊するつもりはないわ」
 伊東はここでそれは否定した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ