第三話
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ッと歯を鳴らし呪い殺さんばかりにハジメを睨み、檜山達四人組に至っては昼休みにハジメを連れて行く場所の検討を始めている。
「え? ……ああ、ホント、香織は優しいよな」
どうやら光輝の中で香織の発言はハジメに気を遣ったと解釈されたようだ。完璧超人なのだが、そのせいか少々自分の正しさを疑わなさ過ぎるという欠点があり、そこが厄介なんだよなぁ〜とハジメは現実逃避気味に教室の窓から青空を眺めた。
「……ごめんなさいね? 二人共悪気はないのだけど……」
この場で最も人間関係や各人の心情を把握している雫が、こっそりハジメに謝罪する。ハジメはやはり「仕方ない」と肩を竦めて苦笑いするのだった。
そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。教室の空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。そして、いつものようにハジメが夢の世界に旅立ち、当然のように授業が開始された。
そんなハジメを見て香織が微笑み、雫はある意味大物ねと苦笑いし、男子達は舌打ちを、女子達は軽蔑の視線を向けるのだった。
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教室のざわめきに、ハジメは意識が覚醒していくのを感じた。居眠り常習犯なので起きるべきタイミングは体が覚えている。その感覚から言えば、どうやら昼休憩に入ったようだ。
ハジメは、突っ伏していた体を起こし、自炊した弁当を取り出した。
なんとなしに教室を見渡すと購買組は既に飛び出していったのか人数が減っている。それでもハジメの所属するクラスは弁当組が多いので三分の二くらいの生徒が残っており、それに加えて四時間目の社会科教師である畑山愛子先生(二十五歳)が教壇で数人の生徒と談笑していた。
ハジメは早食いをして弁当を食べ終わった後、もう一眠りするかと机に突っ伏そうとした。だが、そうはさせまいと我等の女神が、ハジメにとってはある意味悪魔が、ニコニコとハジメの席に寄ってくる。
ハジメは内心「しまった」と呻うめいた。月曜日ということもあり少し寝ぼけ過ぎていたようだ。いつもなら香織達と関わる前に教室を出て目立たない場所で昼寝というのが定番なのだが、流石に二日の徹夜は地味に効いていたらしい。
「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」
再び不穏な空気が教室を満たし始める中、ハジメは心の裡うちで悲鳴を上げる。いや、もう本当になんで僕に構うんですか? と意味不明な方言が思わず飛び出しそうになった。
ハジメは抵抗を試みる。
「あ〜、誘ってくれてありがとう、白
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