第三話
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
筋タイプである。
龍太郎は努力とか熱血とか根性とかそういうのが大好きな人間なので、ハジメのように学校に来ても寝てばかりのやる気がなさそうな人間は嫌いなタイプらしい。現に今も、ハジメを一瞥いちべつした後フンッと鼻で笑い興味ないとばかりに無視している。
「おはよう、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。はは、まぁ、自業自得とも言えるから仕方ないよ」
雫達に挨拶を返し、苦笑いするハジメ。「てめぇ、なに勝手に八重樫さんと話してんだ? アァ!?」という言葉より明瞭な視線がグサグサ刺さる。雫も香織に負けないくらい人気が高い。
「それが分かっているなら直すべきじゃないか? いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君に構ってばかりはいられないんだから」
光輝がハジメに忠告する。光輝の目にもやはり、ハジメは香織の厚意を無下にする不真面目な生徒として映っているようだ。
ハジメとしては「甘えたことなんてないよ! むしろ放っておいてくれ!」と声を大にして反論したいのだが、そんなことをすれば暴動が起こってしまうだろうから……。僕が喧嘩が弱ければ強制連れションコースだろうけど。ぼくも黙って殴られるのは面白くないので、その時はやり返すつもりでいるから、下手なことは極力言わないようにしている。
あと天之河君自身、思い込みが激しいところがあるので反論しても無駄であろうこともあるので口を閉じている原因だ。
そして直せ≠ニ言われても、直す必要性を感じない。高認資格を持っているし学歴以上の失格を最年少で取得しているし、本当に面倒になれば自主退学して大学へ飛び級だってできるのだ。高校には前世で不足した想い出作り(青春)をするために来ているのだが、白崎さんのせいでそれも8割がた諦めている……。
あと僕は、父親の会社や母親の作業現場でバイトしているのだ。既にその技量は即戦力扱いを受けており、将来設計はばっちりと言ってもいい。今すぐ就職してもいいのだが、将来どうなるのかわからないので学歴と資格、箔付けという保険はかけておいた方が良いだろうから進学するつもりではいる。
僕としては真面目に人生を生きているので誰になんと言われようと今の生活スタイルを変える必要性を感じない。香織がハジメを構わなければ、そもそも物静かな目立たない一生徒で終わるハズだったのである。
「いや〜、あはは……」
それ故に、ハジメは笑ってやり過ごそうとする。が、今日も変わらず我らが女神は無自覚に爆弾を落とす。
「? 光輝くん、なに言ってるの? 私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」
ざわっと教室が騒がしくなる。男子達はギリ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ