第三百四話 二十州掌握その八
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「その両方も揃えてな」
「戦いますね」
「そうするで、戦場でどう戦うかはな」
「それからのことですね」
「そういったもんを全部クリアーしてや」
「戦うもんですね」
「敵より万全の状況で敵を上回る戦力を用意する」
メルヴィルは強い声で言った。
「まずはそうすることや」
「戦は」
「そしてな」
メルヴィルはさらに話した。
「今回もそうする、それまではな」
「戦はせえへんですね」
「攻めることはせん」
絶対にというのだ。
「準備万端整ってからや」
「そうしますね」
「ああ、準備進めてくで」
あらゆる輸送手段も用いてとだ、そして実際にだった。
南部諸州を掌握しアメリカ五十州のうち二十州を完全に自分達の勢力に組み入れたメルヴィルはさらにだった。
内政に五大湖との戦の準備を進めていった、そのうえで五大湖側の情勢を見ていたが。
「仕掛けて来ないですね」
「それはないですね」
「迎撃の準備はしていますが」
「防りを固めるだけで」
「そやな、もう劣勢を自覚してな」
メルヴィルは軍の将軍達との会議の場で述べた。
「防衛ラインの構築に専念してるな」
「左様ですね」
「そのうえで戦うつもりですね」
「彼等は」
「その考えですね」
「そやったらな」
それならというのだ。
「その防衛ラインを調べ尽くしてな」
「そしてですね」
「どう戦うかですね」
「我々としては」
「そうなりますね」
「ああ、エミリーちゃんの報やとな」
五大湖の方の情報収集を行ってもらっている彼女からのというのだ。
「トーチカや地雷原、鉄条網に高射砲も置いた」
「かなりのものですね」
「五大湖側の防衛ラインは」
「その様ですね」
「湖の方にも機雷を撒くみたいやな」
即ち五大湖の方にもというのだ。
「そしてや」
「防戦に徹する」
「我々との戦に対して」
「その考えですね」
「まずは守りに徹して」
メルヴィルは相手の戦略を読んで言った。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「こちらの戦力を消耗させる」
「そして消耗しきったところで、ですね」
「反撃に転じるつもりですね」
「若しくはこっちの隙を見てな」
そうしてというのだ。
「急襲を仕掛てな」
「勝利を手にする」
「そうした考えなのですね」
「五大湖側は」
「そやろな」
将軍達に考える顔で話した、将軍達と言っても陸上部隊の者達だけでなく航空部隊そして水軍の提督達もいる。
「おそらくは」
「そうですか」
「劣勢でもですね」
「勝利は諦めていない」
「その為の防りですね」
「劣勢でも戦い方はある」
メルヴィルは強い声で言った。
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