第一話 サキュバス乱入その三
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「シンケンジャー、来たか」
「待ってました」
十蔵とアクマロがそれぞれ彼等に告げる。
「それではだ。楽しませてもらう」
「さてさて、はじまりです」
「はじまり!?」
それを聞いた茉子が眉をぴくりと動かした。
「はじまりって一体」
「妙だな」
流ノ介もここで言った。
「数も普段より遥かに多い」
「そうよね。何かあるみたいだけれど」
「行くぞ」
丈瑠が言ってきた。
「まずは戦う」
「ああ、そうだな」
「それじゃあ」
千明とことはが応える。そうしてであった。
「一筆奏上!」
五人は一斉に文字を描きそのうえで変身する。そうして。
シンケンレッドが言う。
「天下御免の侍戦隊」
そうして次の言葉は。
「シンケンジャー、参る!」
六人の戦士が今現れた。その手にはもう剣がある。
六人はすぐに外道衆に向かう。忽ち激しい戦いがはじまった。
彼等はその剣で敵を倒していく。人々はそれにより何とか逃げられた。
だがアクマロはそれを見てもだ。余裕のある態度を崩さない。戦いの中でこう言うのであった。
「さてさて、こうして戦えばです」
「何っ!?」
「お客様が来てくれます」
こう言うとであった。すると。
黒と紫の、明らかに外道衆とは違う女が出て来た。顔はいいが冷酷な表情をしている。その女が静かに戦場に姿を現してきたのである。
「面白いことになってるわね」
「!?こいつは」
「一体?」
「デカレンジャーじゃないわね」
女はシンケンジャー達を見てまず言った。
「似てはいるけれどね」
「御前は誰だ」
シンケンレッドが彼女に問う。六人共戦いを一時中断させてしまっている。
「外道衆ではないな」
「外道衆!?何かしらそれは」
女はそれを言われても怪訝な声で返すだけだ。ただし表情は変わっていない。冷酷そのものの表情で彼等に対しているだけである。
「私はフリージア星人サキュバス」
「フリージア星人!?」
「何やの、それって」
シンケンブルーとシンケンイエローがそれを聞いて言う。
「宇宙人なのか?」
「それはわかるけれど」
「何かよくわからないけれど一つだけ感じることはあるわ」
サキュバスと名乗った男は言ってきた。
「この連中は私にとって邪魔な相手ね」
「その通りです」
アクマロは彼女の隣に来て言う。
「それで我々はです」
「少なくともこの連中の敵ね」
「はい。つまり敵の敵という訳です」
「敵の敵は味方」
サキュバスは言った。
「そういうことなら」
「はい、同盟を組みましょう」
「わかったわ。ただ」
「ただ?」
「いるのは私だけかしら」
サキュバスは周りを見回して言うのだった。
「兄さん達は」
「むっ!?何じゃこの連中は」
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