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イベリス
第百六話 夏休みが終わってその二

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「アルバイトはしてなくて」
「部活もなくて」
「お勉強する以外はね」
 これといってというのだ。
「確かにね」
「漫画とかライトノベルとかゲームとかね」
「それにネットとアニメね」
「いつも楽しんでるわね」
「それ位で」
「今みたいに充実していなかったわね」
「そうだったわ」
 母に素直に答えた。
「今以上にはね」
「そうでしょ、それで充実してるとどうかしら」
「気持ちいいわ」
 微笑んでだ。咲は母に答えた。
「やることやってて成長してるって」
「そう思えて」
「それでね」
 見ればその微笑みも明るく晴れ渡ったものだ、目もきらきらとしていて充実していることがはっきりと出ている。
「来年も再来年もね」
「こうした夏休みでいたいわね」
「ええ」
 その通りと言うのだった。
「本当にね」
「そうよ、夏休みとかはね」
「だらだら過ごすよりも」
「充実して過ごす方がね」
「気持ちがいいのね」
「まあそれが出来るのも幸せよ」 
 母は咲にこんなことも言った。
「何かをするにも気力が必要だし」
「気力がないと」
「部活もお勉強も遊びもね」
「どれも出来ないの」
「本当にだらだらとね」
 その様にというのだ。
「過ごすだけになるわ」
「気力がないとそうなるのね」
「例えば先生がいつも暴力振るう部活に入って」
「公立の学校であるあるよね」
「嫌になって辞めて」 
 その部活をだ。
「もう部活行きたくなくなったら」
「気力も落ちるわね」
「部活したくなることもあるでしょ」
「部活行ったら暴力振るわれるって」
「そう思ってね」
「部活に入ること自体しなくなるのね」
「そこで嫌な思いをすればする程ね」
 暴力を振るわれてだ、日本の学校では教師がどれだけ好き放題暴力を振るってもそれでもお咎めなしであり親もそうした部活に行けと言ったりするのだ。親によってはであるが。
「部活にトラウマが出来て」
「部活に入らなくなって」
「それでアルバイトも認められなくて」
「勉強する気もなかったら」
「もうね」  
 それこそというのだ。
「だらだらとね」
「過ごすしかないのね」
「そうなるのよ」
「私だと漫画読んだりゲームするだけね」
「それってあまりよくないでしょ」
「したいと思わないわ」
 咲ははっきりと答えた。
「それはね」
「そうでしょ、だからね」
 それでというのだ。
「充実した日々を過ごすにも」
「気力が必要なのね」
「お母さんそんな部活行けとは言わないから」
「先生が暴力振るう部活は」
「怪我したらどうするの?」
 そもそもというのだ。
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