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イベリス
第百六話 夏休みが終わってその一

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                第百六話  夏休みが終わって
 夏休みが終わった、咲は九月一日の朝にご飯を食べながら母に対してこんなことを考えつつ言った。
「一年で嫌な日っていうと」
「今日っていうのね」
「そう思った時もあったわ」
「そうよね、誰でもね」
 母も頷いて応えた。
「思う時あるわ」
「今年は部活にアルバイトって」
「忙しかったわね」
「だからね」
 その為にというのだ。
「然程ね」
「そうは思わないのね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「実はね」
「そうなのね」
「けれど多少はね」
「そう思うのね」
「ええ」
 そうだというのだ。
「夏休みが終わって」
「それで寂しくなのね」
「残念にね」
「嫌に思ってるのね」
「そうなの」
 こう母に話した。
「中学までじゃないけれど」
「それがもっと変わるわよ」
「ああ、夏休みがなくなるのよね」
「社会人になったらね」
 その時にはというのだ。
「もうね」
「そうなって」
「それでね」
「もう九月一日来ても何も思わないのね」
「それどころかスーパーとかで働いてたらね」
 そうした職場だったならというのだ。
「ゴールデンウィークもお盆も稼ぎ時位にしかね」
「思えなくなるの」
「そうよ、ここぞとばかりに売って」
 そうした時期にというのだ。
「儲けるのがね」
「スーパーなのね」
「それでバレンタインとかクリスマスも」
 こうしたロマンチックとされる日もというのだ。
「チョコレートやケーキを売るね」
「そんな日でしかないの」
「そうなるのよ」
「そうしたお仕事もあるのね」
「そうよ、それが社会人なのよ」
「夏休みの感覚がなくなって」
「あと冬休みや春休みもね」
 こうした期間もというのだ。
「なくなるのよ、自然とね」
「そうなるのね」
「すぐになれるわよ、というか咲今年の夏休みよかったでしょ」
「充実してたわ」
 咲はご飯に納豆をかけたものを食べながら答えた。
「かなりね」
「そうでしょ」
「これまでは勉強とね」
「塾に通ったりもして」
「中学の漫研夏休みは部活なかったし」
「お家で読んでいたわね」
「ネットとかアニメ楽しんで」
 そうもしてというのだ。
「そうして毎日過ごして」
「お勉強はしていたわね」
「けれど今みたいな」 
 それこそというのだ。
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