第七幕その五
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「美味しいもんが食べられるなら」
「もうそれならですか」
「最高を超えてですか」
「それで幸せですか」
「そうなんですか」
「織田作さんとしては」
「そや、こんなええことないわ」
本当にというのです。
「わしにとって」
「最高を超えた幸せですか」
「オズの国にはそうしたものもあるんですね」
「そして織田作さんがですね」
「その中にあるんですね」
「実際に」
「そや、ずっと二人でここにいて」
そうしてというのです。
「コーヒーも飲んで他の美味いもんもな」
「楽しまれて」
「そうして過ごされて」
「そしてですか」
「毎日ですね」
「最高を超えてですね」
「幸せや、ほなまたな」
ナターシャ達五人に笑顔で応えてでした。
織田作さんは飄々とした感じでその場を後にしました、秀吉さんはその織田作さんを見送ってからまたお茶を飲んで言いました。
「あの者もおしどり夫婦で何よりじゃ」
「何言ってるんだい、あたし達はよく喧嘩するじゃないか」
ねねさんが笑って言ってきました。
「あんたが別嬪さん見るとすぐに目がいってね」
「それは普通じゃろう」
「あんた外の世界にいる時からじゃない」
「奇麗なおなごを見るとか」
「すぐに目が言ってだよ」
笑いながら言うのでした。
「鼻の下伸ばしてね」
「今はしてないじゃろ」
「いや、してるじゃないか」
「そうか?」
「この前野球チームの娘さん達観てたね」
「チアガールのか」
「それでだらしなく鼻の下伸ばして」
そうしてというのです。
「でれでれして」
「いや、しかしじゃ」
「それでもかい」
「いつも言っておろう、わしは一番はじゃ」
「あたしかい?」
「そうじゃ」
まさにというのです。
「それは絶対に変わらん」
「そうなんだね」
「だからじゃ」
それでというのです。
「わしはじゃ」
「おしどり夫婦ってかい」
「自分で言うのじゃ」
「そういうことだね」
「だから今も一緒であろう」
夫婦でいるというのです。
「そうであろう」
「そう言われるとね」
ねねさんも否定しませんでした。
「そうだね」
「もう天下人でもないしな」
「この街のお殿様でね」
「ただそれだけでじゃ」
それでというのです。
「何も偉いことはないからのう」
「そうだよね」
「殿様といってもじゃ」
それでもというのです。
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