第七幕その二
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「やっぱり落ち着く食べものってあるからね」
「そうじゃな」
「うん、秀吉さんにとってはね」
「その二つでな」
「一番美味しく感じるんだね」
「そういうことじゃ、だから明日の朝はじゃ」
秀吉さんは笑ってお話しました。
「そのじゃ」
「麦を入れたご飯とだね」
「母上が漬けてくれた漬けものをじゃ」
この二つをというのです。
「食するぞ」
「そうするね」
「一番の馳走を楽しむぞ」
こうも言うのでした。
「まことにな」
「その人それぞれで一番好きなものって違うのよね」
アン王女はこう言いました。
「やっぱりね」
「お主は林檎が好きであったな」
「もう大好きで」
王女も秀吉さんに答えます。
「それでね」
「そのうえでじゃな」
「林檎そのものか林檎を使ったお料理ならね」
「何でもじゃな」
「大好きよ」
「お主はそうであるな」
「そうよ、他の食べものも好きだけれど」
それでもというのです。
「林檎かね」
「それを使ったものをじゃな」
「食べるのがね」
「一番よいのう」
「そうなのよ」
「そうじゃな、誰でも一番好きなものはあってな」
それでというのです。
「わしはその二つということじゃ」
「成程ね」
「私はーーです」
食べる必要のないチクタクはこう言いました。
「皆さんのーー笑顔がーーです」
「飲んで食ってじゃな」
「そうなるーー笑顔がーーです」
まさにというのです。
「好きーーです」
「成程のう」
「それでもーーいいですーーね」
「構わん、それぞれの身体の仕組みがあるからな」
だからだというのです。
「オズの国ではな」
「だからーーですーーか」
「左様、笑顔が一番のご馳走でもな」
そうであってもというのです。
「別にじゃ」
「構わないーーですーーか」
「特にな」
こうチクタクに言うのでした、そしてです。
秀吉さんは自分からお茶を煎れて皆に振舞います、それでナターシャ達もお茶を飲みますがここで、です。
五人で茶道のお茶、お抹茶を飲んで言いました。
「こうして飲んでいると」
「最初は物凄く苦くて」
「とても飲めないと思ったけれど」
「今ではね」
「楽しんで飲めるわ」
「そうであろう、それがお茶なのじゃ」
秀吉さんは五人にも言いました。
「最初は苦くてな」
「飲めないと思っていましても」
なたーしゃが言いました。
「飲める様になりますね」
「むしろ美味しいと思えますね」
ジョージも言います。
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