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第二十四話 未来その十五

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「天の龍は関西に縁がある人が多いから」
「不思議じゃないわよね」
「そうだね、地の龍は元々東京にいる人が多いし」
「東京ならね」
「ヤクルトだからね」
 このチームだというのだ、間違っても邪悪なことこの上ない巨人を応援することはないということだ。
「それでだよ」
「ヤクルトね」
「庚も好きでね」
 ヤクルトというチームがというのだ。
「よくね」
「新宮にも行ってるのね」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「試合を観戦してね」
「楽しんでるのね」
「今ヤクルトは強いし」
「野村さんが監督になって」
「そう、優勝もね」
「日本一もね」
「何度もなっているね」
 牙暁も微笑んで述べた。
「昔は弱かったのに」
「それが変わったわね」
「嬉しいよ」 
 牙暁はこの感情を素直に出した。
「僕もね」
「次は阪神だから」
 北斗はその牙暁に話した。
「何か巨人がピーチクパーチク言ってるけれどね」
「やたら補強してね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「今はああだけれど」
「これからはだね」
「強くなるから」
 阪神はというのだ。
「楽しみにしていてね」
「じゃあ優勝争うかな」
「私が生きていた頃あったわよね」
 阪神とヤクルトの優勝争いはとだ、北斗は話した。
「一九九二だったわ」
「あの時だね」
「丁度ね」
「君が殺されるね」
「ちょっと前だったわね」
「その頃はね」
 それこそというのだ。
「君達は仲良しだったね」
「いい思い出よ」
「そうなんだね」
「ええ、それでまた阪神が強くなって」
「その時にだね」
「優勝争い観てね」
 阪神とヤクルトの、というのだ。
「そうしてね」
「けれどもうすぐ世界は」
「だから何も決まってないから」
 地の龍として話す牙暁にこう返した。
「牙暁君の夢見だとよね」
「人間は滅ぶよ」
「もう一人のあの人の望み通りにね」
「そして生き残った僕達もね」
「人間が滅んだ後でね」
「あの人によってね」
 まさにというのだ。
「滅ぼされるよ」
「それで何もかも終わりね」
「そうなるよ」
「だからそれもね」
 彼が夢見で見たその運命もというのだ。
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